Melogress Official Website [Column]アルバムレビュー

    Melogress Official Website

    都内で活動中のギターレスプログレッシブロックバンド、Melogress (メログレス)公式サイト。

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    since Mar.2005.

    文芸三部作完結編「アーサー王と円卓の騎士たち」by Itaru


    Rick Wakeman / Myths and Legends of King Arthur and the Knights of the Round Table ('75)

    さて、今回もウェイクマンのアルバムレビューです。
    今回紹介するのは「アーサー王と円卓の騎士たち」

    こちらのアルバムですけど、いままで「ヘンリー8世の6人の妻」「地底探検」と
    これ以上はないというほど熱いレビューをしてきたわけですが・・・
    実は、このアルバムが、一番好きだったりします。

    お話も王道のファンタジーですが、内容も王道のプログレッシブ・ロックだと思います。

    とにかく、曲が良い。
    とにかく、キーボードプレイが良い。
    とにかく、アルバムとして完成されている。

    バンドサウンド・ナレーション・オーケストラ・聖歌隊。
    彼の王道中の王道をゆく作りですが、全体のバランスみたいなものが
    流れるような作りなんですね。
    聴けば聴くほどその流れに惹き込まれていってしまいます。
    歌のメロディが良いのも、惹き込んでいく一因となっていると思います。

    「ヘンリー8世の6人の妻」は、キーボードロックの究極のアルバム。
    「地底探検」は、ロックとオーケストラが融合した挑戦作。
    この「アーサー王と円卓の騎士たち」は、
    前2作の、良いところを持ってきて、さらにキャッチーさも合わせ持たせたかのような素晴らしい出来です(キャッチーとは言っても、やはりプログレですが・・・)。
    どの曲も好きで、甲乙つけがたいです。
    捨て曲なしの完全な名盤だと思います。

    このアルバムに収録されている「魔術師マーリン」は
    このアルバム発表後、ウェイクマンライブの定番曲となっていきます。
    シンセソロ満載なので、キーボードロックの究極の姿と言えましょう。

    逆に「騎士ガラハド」~「最後の戦い」は
    ライブでは再現不能の一大オーケストレイションです。
    「最後の戦い」で聴ける「ストリングスフレーズ→ウェイクマンのピアノプレイ」の流れは、クラシックのピアノコンツェルトのカデンツァ(注)のノリで格好良いです。
    (フレーズ自体はクラシックというより映画音楽ですが)
    他にも全編聴きどころ満載なので、一度は聴く価値があると思います。

    最後に、このアルバムに対して、持てる限りの誉め言葉をつめこんで終わりにしたいと思います。
    「知性の溢れるロック・アルバム。計算された美しさを持つ芸術品。アルバム全編に渡る流麗なメロディとキーボードプレイ。その壮大なロマンは、一度魅了したものの心をつかんで離さない――――」



    注)カデンツァとは・・・クラシックの協奏曲において演奏者が自分のテクニックを披露する決めの部分のこと。

    注)文芸三部作とは・・・ウェイクマンのアルバム「ヘンリー8世の6人の妻」「地底探検」「アーサー王と円卓の騎士たち」の3作を指して、俗に言われている。
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    女王君臨!Madonnaのノンストップ・ダンスアルバム by Ryu


    Confessions on a dance floor / Madonna ('05)

    さて、メンボネタのほうはさてきまして、今回はアルバムレビューです。
    しかも何と!このオールドロックファンの筆者が、珍しく新譜のレビューです!(もう2度とないかも・・笑)
    先月発売されたばかりの、Madonna の新譜「 Confessions on a dance floor 」です。

    いやー、待ってました。
    今年になってから、初めて購入した新譜ですよー。
    旧譜は、それこそユニオンとかでけっこう買って聞いていると思いますが、新譜はこれが初めて。
    待てよ、去年は一枚も新譜は買ってなかったか?
    ・・・すると、前回購入した新譜ってのは、まさか一昨年に出た彼女の前作の「 American life 」か?!(笑)
    いやー、時の流れの早さを感じるとともに、自分の時代錯誤ぶりが笑えます・・

    Madonna と言えばアメリカを代表するスーパーアーティストですが、
    近年はガイ・リッチー(映画監督)と結婚(再婚)してイギリスに住んでいます。
    御歳、40ウン歳にもなるのに、いまだセックスシンボルとしての存在感も色あせていません。
    今回のジャケや内ジャケのフォトも、なかなかセクシーでやられました・・笑
    個人的には、女性アーティストとしては、他に比類がないほどセクシーでカッコいいと思ってます。
    もう、ブッ飛びのカッコよさでしょう!
    もし彼女に何か言いつけられたら、筆者は何でも言うことを聞いてしまいそうな勢いです(笑)。
    40ウン歳だっていうのに、子供まで産んで育ててるですよー(初産ではないが)。
    いやー、出生率の低さが声高に叫ばれる昨今、日本の女性たちにも見習ってほしいです。
    あ、これは失言かも・・汗

    そんな彼女も、サクセスストーリーを歩み出すまでは、かなり下積みの苦労を重ねてきたのです。
    デトロイトの出身で、ミシガンの大学でダンスの専攻を中退して、単身ニューヨークに渡ってきたときに、
    たったの35ドルしか持っていなかったというのは有名な話です。
    その後、時給わずか1ドル50セントのウェイトレスをしながら、本格的なダンスのレッスンを始め、
    シンガーとしてもその才能を開花させてゆきます。
    当時の彼女は、並大抵の精神力ではなかったそうです。
    もはや執念です。
    彼女は、ショウビジネスの世界で成功するために、
    ゴミをあさってでも意志を貫いて活動を続けたといいます。
    いやー、やはり Madonna、格が違いますね。
    我々 Melogress もアーティストとして、そのアティテュードを見習いたいです、本当に。

    で、その新譜ですが、これがなかなかイイ感じ♪でした。
    例によって筆者は、彼女の作品はほぼ全作聞いているのですが、今までの名盤たちに勝るとも劣らないアルバムです。
    各楽曲が独立した普通のアルバムの作りではなく、曲間がつないであって一枚トータルとしてのアプローチが感じられます。
    80年代に既に「 You can dance 」というノンストップアルバムを制作していますが、
    そのアルバムは、それまでの楽曲をネタにしたリミックスアルバムでした。
    「 Over & over 」や「 Holiday 」など、なかなかいいネタをちりばめたリミックスで、筆者のお気に入りなのですが、
    今回の作品も全曲新作ながら、なかなかいい楽曲がそろっているので、
    それらをつなぎあわせることで、各楽曲がさらに良い仕上がりに聞こえてきます。

    冒頭の「Hung up」は先行シングルになっていて、プロモーションビデオもガンガン流れてるので、
    見かけた方も多いことでしょう。
    ノリのいいリズムに、インパクトのあるオブリガード(ABBAの「Gimme!×3」が元ネタのサンプリング)が響くのダンスチューンです。
    筆者がたまたま渋谷のセンター街に行ったとき、街頭のスクリーンでこのプロモが流れていました。
    筆者は思わず足を止めて見とれてしまいましたが、同じく足を止めてみていた20代前半と思われる女の子二人組が、

    「Madonnaってかわいいよねー!」
    「うん!」

    ってな会話をしていたのが印象的でした。
    やはり世代を超える絶大な魅力と言ったところでしょう。

    ユーロビート的なドラムの四分打ちに、リズミカルなハイハットの打ち込みの「 Get together 」が、
    筆者の一番気に入った楽曲です。
    アップテンポのメジャーキーの楽曲で、柔らかな音使いの音が多く、優しい気持ちに包まれます。
    他にもキャッチーなメロディの残る「 Forbidden love 」や、
    途中、日本語で「ゴメンナサイ」とナレーションが入るちょっと不思議な雰囲気の「 Sorry 」など、
    ダンサブルで飽きがこない楽曲がめじろ押しです。
    筆者の部屋では、かなりのヘヴィローテーションです!
    ベーシストである筆者は、人を踊り出させるビートとグルーヴを弾き出すのが役目なのですが、
    このアルバムには、逆に踊らされてしまいます(笑)

    と言うわけでみなさん、ぜひともお勧めの一枚です。
    前述の通り、彼女の作品はほぼ全て聞いているので、他にもお勧めのアルバムなどたくさんあるのですが、
    今回はこの辺にしておきます。
    「オレも Madonna ファンだぜ!」
    「私も聞きたい!」
    という Madonna 好きの方がいらっしゃいましたら、例によってこちらまでご一報ください(笑)
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    歴史を動かしたシンフォニー「地底探検」 by Itaru


    Journey to the centre of the earth / Rick Wakeman('74)

    音楽史には、その後のシーンを変えるような名盤がときおり現れます。
    音楽的に優れている、いないという問題や、セールス的に爆発的なヒットを生んだという問題ではなく、
    唯一無二の個性を持った「何か」を持っているアルバムが「名盤」と呼ばれるようになる、
    と私は思っています。
    今回紹介するアルバムはリック・ウェイクマンのソロアルバム第2作であるジュール・ヴェルヌの小説を題材とした
    (映画とかにもなっています)コンセプトアルバム「地底探検」です。
    1500万枚を売ったと言われるこの作品は、オーケストラを従えてクラシック的な重厚感、
    スケール感を感じさせながらも、リックのキーボードプレイがメインとなって、我々を壮大な音世界へと誘います。
    そのさまはひとつの「キーボード・コンツェルト」とでも言うべきキーボード作品の究極系であると言えましょう。
    この作品はDVDにもなっています。
    さすがに時代を感じますが、貴重な歴史映像として後世にまでも残る記録であると確信しています。

    さて、そんなこの作品ですが、爆発的ヒットを生み出しながらも完全な成功と言う訳ではありませんでした。
    このアルバムをリリースしたおかげで、リックのもとには大量の映画音楽製作の依頼が舞いこみ、
    CDセールスによって名前は広く知れ渡り、後に続く音楽活動の上で揺るぎ無い地位を築きました。
    しかし、アルバムツアーにはオーケストラを同行させたため、
    恐ろしいほどの経費がかかり、大赤字を生み出してしまいました。

    しかし、このアルバムの中には無限の可能性と、リックの挑戦心が詰まっていたのです。
    プログレッシブ・ロックの前人未到の地を開拓した、偉大な通過点であったと私は考えます。
    もちろんプログレッシブ・ロックの前人未到の地を開拓した作品は他にもたくさんあります、
    しかし、キーボードを全面に押し出した作品としては、他に類を見ないでしょう。
    黄金時代に生まれ、そしてその黄金をかき集めて勝負に出たような作品…
    興味のある方はぜひ、聴いてみてください。
    理解出来ないかもしれません。
    良いと思えるかどうかは人によると思います。
    特に昔の作品でもありますから。
    しかし、この作品の奥底(地底)に眠る壮大感・ファンタジー(探検)は、
    確実にリスナーの胸へと届くだろうと私は信じています…。
    (そしてその黄金は後に「地底探検・完結編」を生み出しました。
    シンフォニック・ロックファンには感涙ものの作品です。
    こちらもいずれレビューしたいと思います。お楽しみに!)
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    名シンガー・名プレイヤーを輩出したFacesの名盤 by Ryu


    A nod is as good as a wink .. to a blind horse / Faces ('71)

    久々の投稿です。
    最近全く書いていなかったので、さすがに書かんとなー、と感じてました(スイマセン)。
    で、リッピング作業はどうなったんだ?という話はさておき、今回はアルバムレビューです。
    といっても旧譜ファンの筆者ですから、またまた古い作品をご紹介します。
    何にしようかなと思案したのですが、たまたま例のプレイヤーを聞いててランダムで流れてきた作品を紹介します。

    Faces といえば、オールドロックファンならたいてい知っているロッド・スチュアートが居たバンドです。
    ヒット曲を何曲も持つこの男性シンガーは、70年代初頭はこのバンドに所属していました。
    バンド在籍時にすでにソロ活動の方でヒット曲を放ち、その解散後の活躍は言うまでもありません。
    あまりに有名になった彼が歌っていたバンドとして語られる機会が多い Faces ですが、
    成り立ちといい、バンドのメンバーの関係といい、実は彼は中心人物ではなかったのです。

    もともと Faces は、Small Faces いうバンド名で、The Who らと時を同じくし、
    「モッズ」と言われたバンドの一つでした。
    スティーヴ・マリオット(Vo、G)、ロニー・レイン(Vo、B)を中心に、
    イアン・マクラガン(Key)、ケニー・ジョーンズ(Dr)というラインナップが長くて、
    バンドの顔といも言うべきスティーヴが Humble pie を結成するために脱退し、
    穴のあいたギターとボーカルのポジションにそれぞれ ロン・ウッド と ロッド・スチュアート を迎え、
    バンド名を Small Faces からただの Faces にして再出発をはかったのです。
    そうです、ロン・ウッド と言えばみなさんご存知、Rolling stones のギタリストの一人ですね。
    Faces 解散後、彼は ミック・テイラー の後任として Rolling stones に加入し、
    その後30年たった今でもそこで現役でプレイしています。

    このようなラインナップで Faces は活動していたのですが、後から加入した二人と同じく存在感を誇っていたのが、
    ベーシストでリーダー格の ロニー・レイン でした。
    Small Faces 時代から スティーヴ・マリオット とともに楽曲を書き、ボーカルを取り、
    バンドを引っ張ってきたのが彼でした。
    スティーヴやロッドといったソウルフルな目立つシンガーと比べるとやや地味ですが、
    いつも一生懸命で誠実は歌い方は、多くの人の訴えかけるボーカルです。
    ロンも楽曲によってリードボーカルを取るので、計3人もシンガーのいる Faces なんですが、
    筆者は個人的にはロニーのボーカルが一番好きかも。
    ロッドのプロ中のプロ技のシンギングも捨てがたいですが、あまりに上手すぎ、あまりにハスキーで、
    何回も聞くとちょっと食傷ぎみになってしまいます。
    その点、ロニーの声はいつまでも飽きが来ることなく響いてくる歌声です。
    彼はその後、Slim chance という自己の、それもビッグバンドを率いて活動しますが、
    ロッドやロンほどのヒットには恵まれませんでした。
    そして97年ごろですが、多発性脳脊髄硬化症という病気で51歳で亡くなってしまいました。
    その後は追悼盤やコンピレーション盤などが制作され、彼に対する哀悼を示す人は多かったです。

    で、肝心のアルバムですが、当然のごとく筆者は彼らのアルバムは全作品聞いているのですが、
    一番有名な楽曲である Stay with me が収録されたこのアルバムにしましょう。
    長いタイトルのこのアルバム、なんと邦題は 「馬の耳に念仏」でした・・(笑)
    ことわざというのは面白いもので、お国が変わっても同じようなものがそれぞれの国に存在するものです。
    その Stay with me は数多くの人に愛された有名な楽曲で、いろんなミュージシャンにもカバーされています。
    この楽曲を初め、多くのブルージーなナンバーが並んでいます。
    ルーズで気楽なビートが彼らの持ち味で、それに乗ったハスキーでソウルフルな歌声を聞かせてくれます。
    ブルース・ロックやロックンロールが好きな人なら、何も考えることなく楽しむことができる一枚です。
    Rolling stones や Aerosmith などは聞いたことがあるけど Faces は聞いたことない、
    という人にぜひともお勧めの一枚です。

    筆者は20歳になったくらいから、70年代当時のこうしたブルースロックが大好きになり聞き始めたのですが、
    流行すたりとか、色あせるとか、そういうこととは無関係で、今後いつまでも楽しめる一枚だと感じています。
    あまりブルースファンが周りにいないので、「オレもファンだぜ!」とか「私も聞いてみたい!」という方は、
    ぜひともこちらまでご一報ください・・・

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    Dream Theater8度目の挑戦「Octavarium」 by Itaru


    Dream Theater / Octavarium ('05)

    さて、今回のアルバムレビューはDream Theaterの新譜「Octavarium」です。
    Dream Theaterはプログレッシヴ・ヘヴィメタルというジャンルを開拓したバンドで
    世間的には「テクニカル集団」と呼ばれることが多いのですが、
    それらは彼らの表面を表しているだけに過ぎません。
    彼らの真のすごさはソングライティング能力。そして、
    雨にも風にも負けない「努力派集団」だと言うことです。
    プログレ5大バンドと呼ばれたバンドがいます。
    Pink Floyd、Yes、Genesis、King Crimson、Emerson, Lake & Palmer。
    彼らはPink Floyd、King Crimsonのような天才肌ではなく、
    5大バンドの中ではYes近いと思われます。
    Yesは鬼のようにリハーサルを繰り返したと言われていますが、
    Dream Theaterも恐らくはそうでしょう。
    超高速ユニゾンや複雑な拍子の曲などは並の練習量では無理でしょうし。
    今回の新作を作るにあたっても、スタジオで根気強い作品づくり&リハーサルに
    明け暮れていたのではないでしょうか。

    前置きはこれくらいにして、内容のほうはと言うと…「メタル王国」と呼ぶにふさわしい前作に比べ、
    今回はバリエーションに富んだ楽曲群で、
    メロディもポップ(とは言っても普通のポップスとはほど遠いですが)になり、
    前作がダメだった人にもアピールできる内容になっていると思います。
    ただ、他アーティストからの引用が多いのが気になりますが…(汗)
    アルバムとしては4作目も思い出すキャッチーでコンパクトな前半と、
    ヘヴィでテクニカルな面を持つ後半に分かれています。
    それらの曲が前々作からのコンセプト曲である?と、24分を越す大曲の?の間に収まっている感じです。
    4曲目(前半)までは彼らをよく知らない人でも比較的聞きやすく、
    5曲目以降(後半)は彼らのファンに受けがいい楽曲群かなという印象を受けました。
    総評としては、彼らのアルバムを聴いたことがあって、今回の作品が気になる人にはお勧めです。
    逆に、前作が異様に好きな人や、2~3作目までの初期のファンなどに、
    一部受けが悪いかも知れません…。

    最後に、5作目より参加したJordan Rudessのキーボード(シンセ)プレイについてですが。
    ソングライティングに大きく貢献した5作目、
    2枚組アルバムの2枚目でシンセが核となる音世界を見せてくれた6作目、
    高速ユニゾン要員に成り下がった7作目、さて今回はと言うと…
    シンセソロに関しては手癖の連発でセンスの無さ(もしくはアイデアが無くなってきた?)が感じられますが
    、他はあたりさわりなく無難な感じです。
    もちろん悪いわけではありません、完全にプロの仕事です。
    ただしそれ以上のものは感じられないと思います。
    厳しいことを書きましたが、元々はとても技巧もポテンシャルもある人だと思うので、
    次作はもっと頑張って素晴らしいプレイ&音世界を見せてほしいものです。

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    キーボードロックの永遠のマスターピース!「ヘンリー八世の6人の妻」 by Itaru


    Rick Wakeman / The six wives of Henry VIII ('73)

    皆さんは リック・ウェイクマン というキーボーディストをご存知でしょうか。
    YES のファンの人、プログレ好きな人なら説明不要でしょうが説明しておきます。

    70年代当時、キース・エマーソン (EL&P) とキーボーディストとして
    世界の人気を二分したキーボードプレイヤーなのです。
    最初はセッションプレイヤーとして活躍していたのですが、
    その才能は、デヴィット・ボウイから正式なキーボードプレイヤーとしての
    参加のオファーが来るほどでした。
    結局はその話を断って、YES に参加したわけですが…

    今回紹介するのは、そのリック・ウェイクマンが
    YES に加入後製作したソロ・アルバム「ヘンリー八世の六人の妻」です。
    ヘンリー八世がどういう人物だったか?6人の妻たちはどういう運命をたどったのか?
    などという事は今回置いておいて、その内容について熱く語っていきたいと思います。

    このアルバムを最初に聴いたときの衝撃は、すさまじいものがありました。
    キーボードという楽器の無限の可能性。
    全編を通しての流麗なメロディ。ドラマチックな曲展開。
    当時からキーボードに熱烈な愛情を注いでいた自分は
    彼のこの作品を皮切りに、キーボード狂信者となってしまいました。

    1曲目は「アラゴンのキャサリン」
    美しいキーボードフレーズに後半はクワイアーが加わり
    ドラマチックながらもコンパクトで聴きやすい楽曲です。
    2曲目は「クレーヴのアン」
    変拍子が印象的なキーボード・ロックナンバー。
    聴いていくうちに癖になりそうな異色の曲です。
    3曲目は「キャサリン・ハワード」
    メロディアスなピアノのフレーズが優しく、柔らかく
    楽曲を包み込んでいきます。女性に人気が出そうな感じです。
    4曲目は「ジェーン・シームーア」
    パイプオルガンが非常に雰囲気のある曲です。
    途中のムーグの「ブゥオーン」という箇所で完全にノックアウトされてしまいます。
    5曲目は「アン・ブーリン」
    切ないピアノフレーズが歌う彼女の悲しみ。
    シンセやクワイアーがそれを盛り立てます。
    そして、6曲目。ラストを飾るのは
    ウェイクマン・ライブの超定番曲「キャサリン・パー」です。
    壮大なイントロからメインテーマのキーボードフレーズへ。
    それに絶妙のバッキングフレーズが絡み合います。
    そして…ラストまでのドラマチックな流れは圧巻です。
    完璧と言っておきましょう。
    誰にも越えられないキーボードロックの究極の姿がここにあると言っても
    過言ではないでしょう。

    リック・ウェイクマンは二十一世紀になった今も
    積極的なライブ活動と、作品のリリースを行っています。
    それも、最初にこの「ヘンリー八世の六人の妻 」という
    素晴らしいアルバムを残せたからではないでしょうか。
    未聴の方は是非お聞きください。聞く価値があることは保証しましょう。

    ところで、Melogress の目標としては
    「 究極のキーボードロックを作ること 」と言うのが挙げられます。
    無限の可能性を秘めた楽器でロックをする。
    考えただけでワクワクします。
    キーボードという楽器に、作曲する力、音楽をプレイする力
    その他あらゆるものを与えられている気がします。
    是非皆さんにもキーボードの素晴らしさを感じてほしいと願っています。
    (そしてこの後リック・ウェイクマンは
    オーケストラをバックに従えて作った1500万枚売ったアルバム
    「地底探検」をリリースするのでした…
    他のアルバムもレビューしたいとは思っていますが、今回はここまでです…。)

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    存在感のある楽曲に透明感のある歌声 by Ryu


    坂本真綾 / Lucy ('01)

    さて、今回はアルバムレビューです。
    といっても、最新のアルバムではありません(^^;
    もう4年ほど前にもなりますか、2001年の3月に発売されたアルバムです。
    「坂本真綾」と聞いてご存知ない方もいるかもしれませんが、その界隈ではかなり名前の知れた人です。
    その界隈とは声優業界です。

    幼少のころから、それこそ10歳になるかならないかくらいから、アニメや洋画の吹き替えの仕事をしてきた彼女。
    声優さんですから、声を商売道具にしている人なんです。
    そんな声優さんが歌を歌うことについては、私はずっと以前より自然なことだと思ってました。
    どちらかと言えばルックスとキャラのみが売りのアイドル歌手と違って、
    声という歌に直結する要素をしてその職業たらしめているのですから、
    彼らの歌声のクオリティの高さは、やはり認めざるを得ないでしょう。
    声優さんの楽曲と言うと、一部のマニアックな人たちに圧倒的に支持されていて、
    一般の音楽ファンはちょっと近寄りがたいという印象を受けますが、
    そういった先入観なしに目をつぶって楽曲と歌だけを聴くと、そのクオリティの高さに必ずや気が付くはずです。
    ちなみに私はアニメはほとんど見ないです(^^;

    声質はいいとして歌はまた別、という話もありますが、彼女の場合は歌自体問題ありません。
    というよりすばらしい歌唱力でしょう。
    透き通った質感でありながら力強く、ハイピッチでも安定していて、
    曲の展開に添って感情の起伏が伝わってきます。
    やはり声だけで役に成りきるという職業柄、歌詞の内容に入れ込んで表現することに長けているのでしょう。

    それと彼女の楽曲の場合、ライター・アレンジャー・プロデューサーの菅野よう子さんのことを避けて語れません。
    何と完成度の高いことでしょう!
    驚きと感動の連続です!
    いやー、ほんとうに枯れることのない才能とはこのことでしょう。
    心に染み入るインパクトのあるメロディ、曲ごとにふさわしくある展開、そしてそれを束ねるアレンジも、
    どれを取っても素晴らしいです。
    似たような楽曲の繰り返しといったこともなく、どの曲も個性のある素晴らしい作品たちです。
    もともとファンク系のバンドで活動してたキーボディストみたいで、鍵盤のプレイの方もかなり天才的だったようです。

    その楽曲を最高の声で歌うわけですから、これほど見事なコラボレーションはありませn。
    アニメや声優のファンだけに聞かせておくには、本当にもったいないです。
    彼女の歌を聞くたびに、いつもそう思います。
    これを読んで興味を持ってくださった方、ぜひとも貴方の耳で確かめて下さい。

    で、肝心のアルバムレビューですが、優しいピアノインストのタイトルトラックに続く曲「マメシバ」。
    これに尽きます。
    この曲の疾走感は、空前絶後の感覚。
    アコギのイントロに導かれるリズムに、彼女の透き通った声が乗ってくる。
    クセのあるパターンのAメロ、それに続く軽快なリズム。
    そして何といっても、圧巻はラストのリフレインでしょう。
    ベース・ドラムのエイトビートの上で展開する音空間、それに包まれた歌声。
    いやー、何度聞いてもシビれます・・

    この「マメシバ」、マニアックな話なんですが、日本が誇るプログレ雑誌「 Euro rock press 」にても、
    「浸食するオーガニックボイス、ユーロロック・ファンをも驚愕!」とレビューされていました。
    いや~、やはり分かっている人は分かっているという感じです。

    もちろん他の楽曲群も負けてはいません。
    メロウな歌詞とメロディラインに16ビートが絡む「紅茶」、
    軽快なエイトビートに英詩の「 Life is good 」、これもすばらしい~。
    他にも「Tシャツ」「私は丘の上から花瓶を投げる」など、最後まで飽きが来ずに何度も聞けます。

    他のアルバムも聞いてますが、どれか1枚と言われると、やはりこの Lucy があがるでしょうか。
    でも他のシングル曲なども、本当にヤバいくらいに完成度の高い素晴らしい楽曲が多いんですよー。
    入門編としてベストアルバムから入るのもいいかもしれません。
    「ハチポチ」「ニコパチ」という名前で2枚出ているので、これもお奨めです。

    さて季節はもうすぐ春ということで、4年ほど前になりますが、
    今世紀になって初めての春にリリースされたこのアルバムをレビューしてみました
    興味を持たれた方は、ぜひとも聞いてみてくださいね。
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    誰もがみなダンサーに・・・ノリノリのロックンロールピアノ! by Ryu


    The tin man was a dreamer / Nicky Hopkins ('73)

    第1回のテーマはロックンロールピアノです。
    ピアノはかなりポピュラーな楽器ですが、ロックではギターがサウンドの中心であるため、
    スポットをあびることは少ない楽器となっています。
    我々バンドマン界隈でも、石を投げればギタリストに当たると言っていいくらいギターのプレイヤーは多いです。
    それに比べてピアノ(キーボード)のプレイヤーと言えば・・・・・?? 皆無に等しい存在・・・・(笑)
    ギタリストが二人いるバンドはよくありますが、キーボードプレイヤーがいないバンドもよくみかけます。
    「ロックにキーボードはいらん!」という声も、しょっちゅう耳にしますねー。
    これは「当方 Vo 兼 G。骨のある Ba、Dr 募集」とか、
    アマチュアバンドのメンバー募集を見ていても感じることです。
    さらに、「当方 Vo。全パート募集!!!」という内容のときも、
    Keyは含まれてないことが前提だったりします・・・(汗)
    そもそも全パートとは、どのパートとどのパートなのか?お前はどのパートなんだ??
    「はっきり明記せい!!」というつっこみはさておき、とにかくロックというジャンルでは、
    キーボードは需要も少なければ供給も少ないというパートなのです、音的にも人的にも。

    そんなキーボードも、かつてはバンドにおいて必要不可欠な存在でした。
    そもそも(ビッグ)バンドという編成は、弦・管・打楽器の各セクションから成り立っています
    それぞれ順に、ストリングセクション、ホーンセクション、リズムセクションと呼ばれています。
    ここでいうストリングセクションとは、ギターやベースギターといった楽器ではなく、
    バイオリンやチェロといった楽器のことを指します。
    ホーンセクションは、木管・金管の各管楽器です。
    そしてリズムセクションが、ドラムスなどの打楽器全般に加えベース、ギター、ピアノで編成されるセクションで、
    これが独立して単体で演奏を始めてシンガーを加えたのが、現代的なロックバンドの原点というべき編成です。
    ちなみにこのドラムス、ベース、ギター、ピアノからなるリズムセクションは、
    4種類の楽器から編成されるため、フォーリズムとも呼ばれます。
    蛇足ですが、よくロックバンドなどでドラムスとベースのコンビを「リズムセクション」と呼びますが、
    あれは言葉本来の意味とは異なります。
    フォーリズムの中から、よりリズムを担うパートをさらに切り出して、
    それをそのバンド編成自体の呼び方で呼んでいるから、やっぱり違和感ありますねー。
    音楽が進化していったゆえ、ずっと最初の解釈で行くのも無理が出てくるし、
    言葉というものは時代とともに進化してゆくものなので、
    この話についてはこのあたりにしておきましょう・・・(^^;

    さて、話がそれましたがキーボードの話にもどしましょう。
    その原点というべきロックバンドの編成ではピアノ、つまりキーボードがバンドの一角をしめていたのです。
    たとえば50年代にロックの原点というべきジャンルの、
    いわゆる Rock 'n Roll (ロックンロール)が誕生していますが、
    このころのバンドには必ずピアノのプレイヤーがいました。
    そして、ウキウキしてしまって誰もが踊りだしたくなる、ノリのいいプレイを聞かせていたのです。
    その奏法はいまだに受け継がれていて、"ロックンロールピアノ"というスタイルとして確立しています。

    この分野の第一人者は、何と言っても超売れっ子セッションピアニストの、ニッキー・ホプキンス( Nicky Hopkins、
    英、1944~1994)でしょう。ジェフ・ベックとの活動もさることながら、Rolling Stones、The Who、ジョージ・ハリスン
    やジョン・レノンといった The Beetles の面々など、そのセッションワークは枚挙に暇がないほどです。
    彼のプレイは数多くのセッションワークで耳にすることができますが、
    ソロアルバムも何枚か制作してますので、今回はこれを取り上げたいと思います。

    この作品は共作4曲を含めすべてが彼自身のライティングによる楽曲で、バラエティに富み、クォリティは高いです。
    インスト曲の "Edward" など、彼のピアノやオルガンのプレイをフューチャした楽曲も目立ち、聞いてて退屈しません
    ボーカルも彼自身が取っている曲もあり、なかなか味のある声を聞かせています。
    ギターでこれまたセッションマンのクリス・スペディングや、Rolling Stones のミック・テイラーが参加しています。
    ロックンロールピアノがフューチャされた曲は "Banana Anna" と、
    最後に収録されているインストの "Pig's boogie" でしょう。
    前者はややミドルなアップテンポ、後者はけっこうなアップテンポの、どちらもノリのいいナンバーで、
    その醍醐味を味わうにはちょうどいい楽曲といえるでしょう。

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