Melogress Official Website [Column]Uriah Heep シリーズ

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    Uriah Heep 番外編4 Toe fat 「Toe fat」 by Ryu


    Uriah Heep 番外編の第4弾です。
    番外編はまだまだ続きます(本編より多くなったりして・・!)
    今回は、以前とりあげた Gods の後バンドで、その投稿でも触れた Toe fat です。
    そのときけっこう書いたので、、今回は短く解説です。

    メンバーはクリフ・ベネット(Vo)、ケン・ヘンズレイ(G、Key)、リー・カースレイク(Dr)、ジョン・コナス(B)となっています。
    音楽的には面白みはあまりなく、ハードロック調の退屈なロックです。
    楽曲はクリフが書いたものか、外部のライターが書いたものになっています。
    やはりヘンズレイ師匠が書いたものがないと、つまらないものになってしまったという例でしょうか(Gods はまあまあいい曲あったから)。

    Toe、すなわち親指のツラをした人間がジャケを飾っています。
    こんなバンド名にする感覚も理解できませんが、ジャケもジャケでかなりナンセンスです(笑)
    なんか、レビューする気がなくなって来ました・・

    というわけで、これはオススメではありません。
    セカンドも持ってますが、こちらはクリフ以外のメンツが抜けて、すこしタイトになっていたかと思います(すいません、改めて聞く気もなくしてしまって・・笑)。
    こんなもんまでレビューしなければならないのが、ヒープファンのツラいところです
    まあ、たいていはヒープファミリーはいいバンドばかりなので、問題ないのですが。

    以上、今回のレビューは終わりとさせていただきます。


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    Uriah Heep 番外編3 Tempest 「Living in fear」 by Ryu


    番外編の第三弾です。
    Tempest は Colosseum ファミリーの一バンドで、ヒープと同じブロンズレーベルに属するバンドでした。もともと、ジョン・ハイズマン(dr)が率いる猛者ぞろいのバンド、Coloseumがあったのですが、ここで後期にベースを弾いていたのがマーク・クラークで、同じく後期にギターを弾いていたデイブ・クレム・クレムソンと3人で、その二人ハイズマンが新バンドを画策したのがTempestです。
    しかし、リハーサルの段階でクレムソンが脱退(理由はアンプの調子が悪いときに、ハイズマンと喧嘩をしたとか)し、代わりに見つけたのがあのアラン・ホールズワースです。

    ジョン・ハイズマンは実は、オジー・オズボーングラハム・ボネットと同じく、ギタリスト発掘家としても有名です。Coloseum時代のクレムソン、Tempestの後に組むColoseum IIではゲイリー・ムーアと、一流の個性的なプレイヤーをその都度メンバーに迎えています。
    Tempest時代は素晴らしく、初代がアラン・ホールズワース、そして本作2枚目ではオリー・ハルソールと、これまた二人ともすごいプレイヤーをギタリストに迎えます(しかも一時期は、その二人のツインギター!)。

    セルフタイトルの一枚目は、シンガーとしてポール・ウィリアムスも在籍していたのですが、彼とアランが脱退し、オリーを向かえて本作を制作します。
    やや難解で少し暗いイメージもあった1作目でしたが、本作はより洗練され、ポップに分かりやすくなっています。

    おっと、そういえば本稿は Uriah Heep シリーズの番外編でしたね(笑)。なぜ Tempest なのかと言うと、ヒープの4枚目、Demons and wizards の時にほんの一時期だけ在籍したマーク・クラークが、なぜすぐにヒープを脱退してしまったかというと、このTempestの結成のためだったのです。
    Coloseumが解散してヒープに加入しましたが、3ヶ月ほどでハイズマンに呼び戻されてしまったのです。

    ヒープの歴史ではかなり影の薄いマーク・クラークですが、ここでは曲も書いてリード・ボーカルもとり、存在感を放っています。ハイズマンお気に入りのベーシストということもあり、ベースラインも豊かです。ハイズマンはかなり手数の多いドラマーですが、それに勝るとも劣らないベースプレイです。

    3曲目のStargazer は、クラークの書いたポップな楽曲なのですが、この曲、後に彼がヘンズレイのソロアルバム作成に全面的に参加したときに取り上げられます(アルバム Eager to please)。こちらのほうが原曲で、まだ荒々しい感じがしますね。
    というように、ヘンズレイクラーク仲が良かったようです。ヒープでも、もっと長いことプレイしてほしかったものです。

    このアルバムは、全般的にオリー・ハルソールが前面に出てきています。ギターはもちろん、楽曲によってはピアノやシンセもプレイし、マルチプレイヤーぶりを発揮しています。
    しかしもちろん、彼の魅力はレフティのギタープレイにあるでしょう。ハイズマンのタイトなドラミングの上で、非常に個性的でスリリングなソロを聞かせてくれます。

    このアルバム、テイチクの「ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック・クラシックス」という、90年前後に出ていたシリーズで日本盤(おそらく世界で初CD化)が出ていたのですが、ほどなく廃盤となり、外盤でもなかなかCDにならず、すぐには聞けない時代が続いていました
    筆者がこのバンドを知った90年代後半はまさにその時期で、中古盤屋で見つけても、6000円くらいだったりと、プレミアがついていて、なかなか聞けずにいたのです。
    しかしその後、日本でも海外でも再発が進み、ようやく普通に買って聞くことができるようになったのです。
    その意味では、なかなか待たされた一枚でした。待たされた甲斐があって、なかなか良質の一枚です。
    一枚目もありますが、全く質は異なるものの、あちらもあちらでなかなかの出来です。
    マーク・クラークのファンというのもあまりいないかもしれませんが、ヒープファンならチェックしてみてください。


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    Uriah Heep 番外編2 Keef Hartley band 「Overdog」 by Ryu







    さて、ウェットン加入の2作も紹介したとのことで、ここらでまた番外編をやっておこうと思います。
    今回はそのウェットンの前任のベーシスト、ゲイリー・セインの在籍したバンド、Keef Hartley band です。

    キーフ・ハートレイという人がいて、その彼がリーダーを務めるバンドです。
    ブリティッシュブルーズ界ではそこそこ名前の知れた人で、アレクシス・コーナー、ジョン・メイオール、グラハム・ボンドなどといった系統のミュージシャンに詳しい人なら、一度は名前を聞いたことがあるでしょう。

    キーフはシンガーでもギタリストでもなく、実はドラマーです。
    そのドラマーでリーダーのキーフと一緒にプレイしていたのが、ベーシストのゲイリーです。
    Keef Hartley band は、6~7枚のアルバムを出していたと思いますが、殆どのアルバムでゲイリーはプレイしています。

    このバンド、どういう音楽性かというと、ヒープとは少々異なり、やはりブルース色の濃く出たバンドです。
    加えて、ファンキーな色合いも強い
    核となるのが、キーフ、ゲイリーに加えて、ミラー・アンダーソンというギタリスト/シンガーで、その彼がこれらのブラック系のキャラクターを出していて、皆が皆、そちらの系統の人であると言えます。
    ヒープのような、クラシカル/シンフォニックな要素は一切なく、泥臭いブルースロックバンドと言ってもいいでしょう。

    なぜそのバンドにいたゲイリーがヒープに加入したのか?
    といったことは分かりませんが、当時のミュージシャンはそこまで自分の音楽的ドメインを狭めておらず、お互いに交流が盛んだったと言えるでしょう。
    もともとヒープはブルーズテイストもなくはないですから、お互いに十分にやってゆけると判断したのでしょう。
    案の定、ゲイリーはそのプレイでバンドの一角を担い、ヒープの黄金時代を築きます

    このアルバムは71年のアルバムで、ゲイリーがヒープに加入する少し前の作品になります。
    楽曲によってはゲストミュージシャンのホーンのフィーチャされたサウンドで、ロックバンドでありながら、多彩な側面を垣間見せてくれます
    また、ワウをかけたギター、オルガン、ゲイリーのプレイと、どれをとってもファンキーな香りがします。
    ヒープはいろんなバックグラウンドを持ったミュージシャンが参加していますが、ゲイリーほどファンクテイストの強いミュージシャンは他にはいないでしょう。

    肝心のキーフ・ハートレイはというと、ミュージシャン暦は長くも、ヒット曲に全く恵まれないミュージシャンとして有名だそうです。
    あのカーマイン・アピスでさえ、ロッド・スチュアートの Daya think I'm sexy というヒット曲があるというのに、30年以上のキャリアの中で、それらしい曲が1曲もないという、なんとも不幸なドラマーなのです。
    筆者が聞いている彼のプレイに、Artwoods というバンドがあります。
    このバンド、あのジョン・ロードがパープル加入以前にプレイしていたバンドなのですが、シンガーのアート・ウッドは、あのロン・ウッドの兄で、ドラマーがキーフなのです。
    サウンドの方はというと、モッズバンドということもあり、典型的なビリティッシュビートになっています。
    この時代、ジョンキーフもスーツを着て、髪も小奇麗にしていたのが、すぐ後にジョンはハードロック、キーフはこうしてブルースロックに転身ということで、それぞれ髭や髪を生やした、むさくるしいルックスになってゆきます(笑)

    ゲイリー・セインは、ここでプレイした後、ヒープに加入、そして感電事故からドラッグのオーバードーズで死亡という、末路を辿ります。
    独自の粘り気を強っく帯びたベースプレイは、いまだに人気を誇っています。
    メロディアスな方向性のバンドで、ブラック色を惜しげもなく出すゲイリーは、
    もちろん、ベーシストの筆者もお気に入りのベーシストの一人です。


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    Uriah Heep Vol.9 「HIGH AND MIGHTY」 by Ryu

    今回は9作目となるこのアルバムです。
    前作とラインナップは変わらず、ケン・ヘンズレイ、デヴィッド・バイロン、ミック・ボックス、リー・カースレイク、そして前作から加わったジョン・ウェットンです。

    このアルバムジャケ、みなさんはどう思います?
    筆者は最初見たとき、「なんじゃこのダサいジャケットは~!」とうなってしまいました・・笑
    翼の生えた拳銃が、宙返りしています。
    並み居る北欧メタルやB級プログレ、古くは RIOT などと、ダサい名作ジャケは数多くみてきましたが、ヒープのこのアルバムも、それらに勝るとも劣らないほどのセンスをしていると思います(笑)
    何が言いたいんだろうか?
    ロジャー・ディーンの描いた名画がある一方、ここまでダサいものまであるのが、ヒープの魅力でもあるといったところでしょうか(苦しい・・)。

    さて、このアルバム、筆者はヒープのアルバム群の中では、比較的最後の方に聞きました。
    数多くの名作を聞いた後に聞いたものですから、ジャケのダサさも手伝って、たいしたアルバムには思えませんでした。
    実際にそこまで人気のあるアルバムではありません。
    しかしながら、今回改めて聞きなおしてみましたが、そこまでクォリティが低いわけでもありませんでした。
    楽曲は2曲のみウェットンとの共作で、あとは全部ヘンズレイ一人で書いています。
    さすがヘンズレイ、そこまでひどいものは世に出していないといったところです。
    3~4分代の短い曲ばかりで、以前のような大作はなりを潜めています。

    とはいうものの、のっけから面白い展開です。
    1曲目からヘンズレイが鍵盤を離れたツインギターの曲になっていて、単純明快なギターのリフレインから始まります。
    そのあと、ベースのリフも絡んでくるのですが、このリフの重ね方はあまりセンスが感じられません。
    まあ、そこまでは良しとしましょう。問題はその後です。
    かなり頓狂なテンションのボーカルが入ってくるのですが、なんとそれはジョン・ウェットンのリードボーカルなのです。
    種明かしをすると、なんとレコーディング時にバイロンの調子が悪かったとのことで、ウェットンが歌ってそれをそのまま使ったという運びだそうです。
    バイロンがどう思ったかなどは、詳しい情報はつかんではいませんが、前作から加入したベーシスト・シンガーに1曲目を取られたというのは、看板シンガーとしては面白くないかもしれません。
    なぜその楽曲を1曲目に持ってきたのか、というのも謎です。

    2曲目の Weep in silence は、今回聞き直して、なかなか良い曲だと感じました。
    スロウテンポのマイナーキー、ムードのある悲しげな曲で、これがウェットンとの共作です。
    とくにミック・ボックスギタープレイは冴えていて、普段あまり聞かせない泣きのフレーズを弾いています。しかもイントロとアウトロの2回。
    76年という時期もあり、イーグルスの Hotel california を連想してしまいました。
    それくらい泣いているギタープレイです。
    4曲目の Midnight は、ギターの印象的なフレーズによるイントロです。変拍子やテンポチェンジはないものの、いくつかの展開を聞かせてくれます。ウェットンのプレイは随所で印象的なフレーズを聞かせ、リーのスネアとともに楽曲を盛り上げています。
    5曲目の Can't keep a good band down は、シンセ(メロトロン?)の揺らいだリフレインが耳に残る曲です、メジャーキーであり、そのリフはコミカルな雰囲気を演出しています。ミック・ボックスのギターは、割と乾いた感じの音作りになってますね。
    続く6曲目の Woman of the world も、メジャーキーで、かつシャッフル、コミカルで楽しげな曲調になっています。ホンキー・トンク調のピアノ、アコースティックギターなども効果的に用い、彼ららしいポップスに仕上がっています。
    7曲目の Foot prints in the snow も、ウェットンとの共作です。スロウからミディアムテンポのナンバーで、コーラスを多用し、アレンジの幅に幅を持たせています。しかしながら、彼らにしてはやや退屈な曲といえるでしょう。ノリで押すわけでもなく、構築性を追及するわけでもなく、メロディが強いわけでもなく、これといって特徴のない曲です。
    8曲目の Can't stop singing も、これまた退屈なナンバーです。彼らでない人らの楽曲だったら、もう少し良いように受け止められるかもしれませんが、いかんせん期待してしまうので拍子抜けといったところです。
    リズムもアレンジ退屈で、これといって特徴がない曲です(異論のある方は遠慮なくどうぞ!)。
    9曲目の Make a little love は、アップテンポのシャッフルのブルーズチューンで、これはいい感じです。ヒープにはあまりない作風で、それでいて演奏で楽しませる形に仕上がってます。ライブでは盛り上がるでしょう、この手の曲は(おそらくプレイされてないでしょうが・・)。ヘンズレイペダル・スティールギターのソロまでフューチャされていて、ノリノリです。ウェットンを含めメンバーみな、このようなスリーコード主体の楽曲でも、すぐにプレイして自分たちの楽曲として仕上げることができるのは、さすがは当時のプロです。
    最後の Confession は、ピアノのみをバックとした2分ほどの短いエピローグ的な楽曲です。
    バイロンの歌声を中心に、メンバーみなのコーラスもフィーチャされています。
    美しいメロディの楽曲なので、ヒープのアルバムを締めくくるにはいい楽曲と言えるでしょう。

    さて、今回久々にこのアルバムを聞きなおしましたが、思ったより悪くないかも?というのが正直な感想です。
    最初に聞いた当時は、これほどの駄作はない!とまで思っていたのにです。
    それはあまりにも他のアルバム群のクォリティが高いから、そう思ってしまったんだと思います。
    筆者のように後追いだと、まとめてアルバムを聞くので、その中に少し良くないものがあると、駄作!と簡単に決め付けてしまうものです。
    アーティストが、その時々に必死に生み出した作品なわけですから、早計な判断はせず、ゆっくり聞き込むべきでしょう。
    今回、改めてそう感じました。

    しかし、ジャケは何度みてもダサい・・・!!


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    Uriah Heep Vol.8 「RTETURN TO FANTASY」 by Ryu

    久々にこのシリーズの更新です。
    今回はスタジオ作の8作目、邦題「幻想への回帰」です。
    天使ともバレリーナともとれる存在が、宙に舞い行く様子を描いたジャケとなっています。

    黄金のラインナップから、ついにベースのゲイリー・セインが脱退。
    これより前、彼はステージ上での感電事故にという憂き目に遭っています。
    その療養で休んでいたのですが、脱退、さらにはドラッグのオーバードーズだったと思いますが、他界してしまいます。
    ヒープ史上でも人気のあるベーシストゆえ、その死は未だに惜しまれます。
    余談ですが彼は来日時に、グルーピーの一人と子を設けたとの噂があります。
    その子供は日本人とのハーフになるわけで、本当だとしたら彼の遺伝子を受け継いだ子のその後も気になるところです。

    さてこの作品ですが、そんなゲイリーがプレイする予定だったのですが、結果的に脱退となってしまい、後任として迎えられるのが、あのジョン・ウェットンです。
    プログレ界の重鎮とも言うべきシンガー・ベーシストの彼ですが、当時はクリムゾンが終わり、Roxy Music でツアーメンバーをこなした後でした。
    しかしヒープへは、音楽的な合致から加入したというわけでもなさそうです。後世のインタビューでも語っていますが、「金のためだった」と素直に告白しています。
    当時のヒープは人気があったので、ギャラがよかったのでしょう。
    ゲイリーの後任で加入したウェットンは、彼のプレイを差し替えてこのアルバムに参加します。

    1曲目からタイトルトラックで、のっけから図太いシンセリードをフィーチャしたスロウテンポのイントロです。一気に盛り上がり、イントロの終了とともにアップテンポのシャッフルに変わって歌の開始です。
    この楽曲、わざとそのアレンジでしょうが、ドラムスが非常にシンプルなパターンになっています。
    オープニングを飾るにふさわしい、インパクトのある楽曲になっています。
    2曲目のShady lady は、例によってケン・ヘンズレイがキーボードを離れ、ギターを手にした楽曲です。スライド・ギターもフィーチャされ、ノリのいい1曲となっています。
    もちろん新加入のウェットンのグルーヴィなプレイも見逃せません。
    3曲目の Devil's daughter はわりと最近でもプレイされている楽曲です。オルガンの白玉の上で、ミックの16ビート中心のリフレインが印象的な曲です。
    4曲目の Beautiful dream は名曲です。イントロからして、シンセ、ギターのカッティング、ハイハットの16部の刻みと、構築性のある緻密な作りになっています。
    なんといってもこの曲は、デヴィッド・バイロンのシャウトがインパクト大です。ヴィブラードを多用し、シャウトしながら揺れる様子は、他の誰にもマネできない個性を放っています。
    ヒープの看板とも言うべき彼のボーカルを、最大限に引き出した楽曲でしょう。
    5曲目の Prima Donnnaは、ロックン・ロール調の非常に楽しいムードの曲です。ヒープの魅力はメロディックな楽曲にあるのですが、このようなスタンダードな曲調でも彼ららしさが出ているというのが、非常に面白いバンドです。ホーン(クリムゾンのメル・コリンズのサックスです)やコーラスも大々的に導入され、ゴージャスなつくりになっています。1曲前とだいぶ異なる雰囲気ですが、両者とも間違いなくヒープならではの楽曲で、いろんな側面で楽しませてくれます。
    6曲目の Your turn to remember もこれまた名曲で、スロウテンポのメジャーキーのシャッフル、コーラスやブルージーなリードギターのフィーチャされた楽曲です。この4~6曲目までの運びは、本当に素晴らしいつくりだと感心してしまいます。
    8曲目の Why did you go はスローバラードで、泣ける曲調に仕上がってます。アルバムにこういう曲は1曲は必要ですね。
    最後の A year or a day は、アコースティックギターを用いた静かなパートがあったり、強弱のメリハリのついたエイトビートのロックチューンです。メロディを大切にし、ラストを飾ってます。ヘンズレイのオルガンが全編を通してうなっています。

    このアルバム、前作・前々作とこけていたのが、本国英国だけではありますが、なかなかのヒット作となった作品でした。というか、彼らの作品としては英国では最大のヒット作だったかも。
    若干のアメリカン指向から、初期のブリティッシュヘヴィ路線に戻り、しかも英国では人気のあるウェットンが加入したからでしょう。
    表面上だけ見ると、ゲイリーが抜けて新しい血を得て、この作品をリリースしてヒットし、バンドとしては良い状態には見えますが、そうでもなかったようです。ちなみにウェットンゲイリーのプレイの差し替えを行ったくらいですから、かなり遅い時期にレコーディングから合流という形なので、楽曲は提供していません。それは次回作品からになります。


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    Uriah Heep 番外編1 Gods 「To Samuel a son」 by Ryu

    さて、初期アルバムのレビューも終わったということで、ここらで番外編を始めます。ヒープの魅力はそのサウンドであることは明白ですが、非常にメンバーチェンジの激しいバンドであり、その人脈とそれにまつわる話でまたいろいろと楽しめるバンドなのです(筆者の場合、むしろそちらがメインか・・笑)

    で、今回は番外編第一弾ということで、プレ Uriah Heep、すなわちヒープ結成前にメンバーが活動していたバンドを紹介します。以前の投稿でも触れた、The Gods というバンドです。このバンド、ヒープのオリジナルメンバーであるケン・ヘンズレイポール・ニュートンを輩出したバンドであり、リー・カースレイクも在籍してました。ヒープの原型となったバンドの一つです。それに加えて凄いのが、このバンド、あのミック・テイラー、グレッグ・レイクといった有名どころのミュージシャンも輩出し、ジョン・グラスコックといった名手も輩出しているのです。名前に違わぬ凄いバンドです。

    65年の初頭、ケン・ヘンズレイ(Key、G, Vo)を中心に、ミック・テイラー(G)、ジョン・グラスコック(Ba)、ブライアン・グラスコック(Dr)というラインナップで結成されます。グラスコック同士は、いとこの関係だったと記憶してます(もし兄弟なら Styx、Blue Oyster Cult みたいだ!)。しかしこのラインナップではシングルを発表した程度の活動だったようです。ほどなくヘンズレイを残してみなが脱退してしまい、代わりにポール・ニュートン(Ba)、リー・カースレイク(Dr)、ジョン・コナス(G)が集まります。ここでニュートンと知り合い、後にヘンズレイは、彼からヒープへの結成時に加入を要請されることになります。また初期のドラマーが安定しなかった時期を経てから声をかけるカースレイクとは、同じくここで知り合っています。ヒープを語る上では、かなり重要な出会いとなっています。

    しかし程なくして、ポール・ニュートンが脱退してしまい、代わりにベーシストで加入したのは、あのグレッグ・レイクです。しかしこれはうまくいきません。ヘンズレイの言葉を借りるなら「グレッグはバックグラウンドを共有するには才能がありすぎた」ということです。なるほど、彼はこの後 King Crimson の結成時のメンバーに名を連ね、その後は EL&P で大躍進するという、プログレ界のスター街道をひた走るわけですから、ヘンズレイの言うことも最もです。The gods のほうはどうしたかというと、オリジナルベーシストのジョン・グラスコックが復帰します。そうしてようやく、待望の 1st アルバム「Genesis」の制作にこぎつけるわけです(残念ながら未聴・・)。その後同じラインナップにて、セカンドの当作を発表します(ようやく本題に来た・・汗)。

    さてこのアルバムですが、プログレというには物足りない感じですし、69年ですから、ハードロックが台頭する直前という時期です(Zep でいうと3rd が出る前、PurpleでいうとIn rock の前、Sabbath はデビューすらしていない)。サイケな雰囲気と、ポップな感じが交錯し、若干、その後のヒープを彷彿させる要素がある、といったところでしょうか。サイケな曲では当時のフロイド(このジャケは「夜明けの口笛吹き」のパクりと言えなくないかも?!)、ポップな曲ではビートルズとも似たところを感じることができます。筆者はサイケもポップも好きなので、十分に聴ける作品となっています。注目すべきは、ヘンズレイがリードボーカルも取り、中心人物でありながら、楽曲はメンバーそれぞれが書いているということです。カースレイクまで2曲も書いています。それぞれ平均的に良い曲が多いのですが、例えば「あ、これいいな」と感じる曲(例えば Candlelight という曲)は、やはりヘンズレイが書いた楽曲だったりします。なぜ良いと感じたかと言えば、やはりヒープ節に通じるものがあるからではないでしょうか。

    この後のヘンズレイは、前述の様に先に脱退したポール・ニュートンに要請されてヒープの結成に立ち会うのですが、その前に Toe fat というバンドに関わります。それについては、またの機会に譲るとしましょう。
    他のメンバーのその後についても触れたいと思います。
    ミック・テイラーは John Mayall blues breakers に行き、その後は The rolling stone に加入するのは有名な話です。
    ジョン・グラスコックヘンズレイと同じく Toe fat を経た後、スタン・ウェブの Chicken shack、その後 JethroTull といったバンドで、自由奔放なプレイを聞かせ、そのあとバーニー・マーズデンらと Wild turkey の結成だったと思います(記憶があいまい・・失礼)。
    ブライアン・グラスコックは、同じくこの後 Toe fat です。
    グレッグ・レイクは前述の通り、King Crimson から EL&P です。
    ジョン・コナスは同じく Toe fat に行き、その後は音楽業界を引退してしまったようです。

    といった形で、非常に密度の濃い人脈関係となっています。楽曲的にも平均よりずっと上にあるし、ヒープファンなら必聴の一枚と言えるでしょう。早くこのバンドの 1st も聴かねば!


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    Uriah Heep Vol.7 「WONDERWORLD」 by Ryu

    邦題は「夢幻劇」。さすがに最近はあまり聞いていませんでした(笑)
    それでももちろん、初期ヒープのアルバムにはずれはありません。
    2~3分代の短めのコンパクトな曲が目立って収録されています。

    メンバーは前作から代わっていません。
    ジャケはそのメンバーたちが、石像に扮するというユニークなタッチのものです。

    1曲目のタイトルトラックは、少し不思議な雰囲気の楽曲です。ギターやオルガンといった音色でゴリ押しするでもなく、ドラムスやベースのせわしないビートで押すわけでもなく、ムーグなどのアナログシンセの太い音を主メロに用い、インパクトのあるフレージングが中心を据えています。この手法、例えばうちのバンドの Touch me now という楽曲でも採用しています(Itaru はこの曲を知らないのでパクりではないです、悪しからず・・笑)。イントロが終わると一転して静かになるあたりは、楽曲を引き立てるアレンジとしては常套手段ですが、ヒープがやると、さすが、という感じに聞こえます(非常に様になっているので)。サビでは例によって、分厚い層の美しいコーラスが聞けます。オルガンも白玉系(注:音を長く伸ばす演奏)、コーラスも白玉系と、音に厚みがあります。これがコーラスもやらないギター1本だけのバンドだったら、こんなアレンジになりっこありません。
    2曲目の Suicidal man は、メンバーみなで書いた曲です。このアルバムは珍しくそういう楽曲が4曲も収録されています。ヘンズレイ一人で書いている曲が占めているアルバムが多い中、この点はこのアルバムならではの要素ではないでしょうか。この曲はミディアムテンポの16ビートの曲で、ゲイリー・セインのラインが目立って聞こえます。彼のお得意の楽曲といった印象を受けます。リーはスネア4分打ちのプレイを基調として、随所のフィルでは16分を中心としてプレイをしています。いつも思うのですが、リー・カースレイクは、かなりいいドラマーだと思います。ヒープの楽曲群を、いつもいいアイディアで具現化するリズムを繰り出してくるからです。
    3曲目の The shadow and the wind は、明るくて力強いナンバーなのですが、最初はなかなか始まらないし、フェードイン的に各楽器が加わってゆく形なので、少々じれったい感じもします。シャッフルでメジャーキーということで、前作の Seven stars にも通じるところがある作風です。もちろんコーラスも美しい。
    4曲目の So tired は、けっこうなアップテンポのエイトビート、歪んだオルガン・ギターと、典型的なアプローチの楽曲です。しかも中間部では、ドラムがオンビートの中、各楽器のプレイが順にフューチャされるという、ヒープにしては珍しいアレンジになっています。ライブでメンバー紹介に用いるなどして、盛り上がりそうな感じといったところでしょうか。
    5曲目の The easy Road は、前々作の Rain のようなやさしいバラードです。最初はピアノのみのバッキングで、後半になるにしたがい、ほかのストリングスやホーン、アコギなどの音が加わります。その部分は非常に短いですが、オーケストレーション的な要素があります。これはなかなかいい楽曲です。
    6曲目の Something or nothing は、アップテンポのシャッフル、元気のいいビートの楽曲です。Easy livin' のメジャーキー版(?)といった感じです。短いギターソロがあるのは異なりますが。
    8曲目の We got we は、メインのベースの急いだライン、その裏で鳴るクラビネットの音で構成されるリフレインが印象的な楽曲です。ドラムスもアイディアが多彩で、いろんなネタをちりばめています。ボーカルとコーラスもそのメインリフの上で印象的に響ます。この楽曲もメンバー全員で書いた曲ですね。
    最後の Dreams は、これまた不思議な作風で、6分とこのアルバムの中ではけっこう長い曲です。シャッフルでミディアムということで、Magician's birthday に中につなげたらマッチするかもしれません(笑) 最後の最後には、前作の Dreamer のボーカルの部分だけサンプリングしたものを用いています。タイトルつながりといったところでしょうか。残念ながら、かつてのプログレ風の大作には前々及んでいず、力不足の感は否めません。

    このころのヒープは、完全に大作主義から脱却していたとも感じられます。
    このアルバムもシングル向けの曲が多く、ポップなメロディも目立ちます。しかしバンドとして活動している以上、やはりヒープらしさは色濃く反映されています。


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    Uriah Heep Vol.6 「SWEET FREEDOM」 by Ryu

    今作の前にライブ盤を出しているのですが、そのレビューは割愛します。

    前作・前々作のアメリカでの成功を得て、この時期、ヒープは乗りに乗ってました。メンバーもリー・カースレイクゲイリー・セインを迎え、強固なラインナップとなりました。今作品もモチロン、同じラインナップで制作されています。

    ところがアートワークの方は、ロジャー・ディーンの起用をやめ、それどころか朝日の中にメンバーが浮かび上がるという、何ともイメチェンをしたものとなっています。前2作の創作風のコンセプトが続くのかと思いきや、思わぬ方向転換です。

    それは楽曲の作風にも表れています。Demon、Magic といったファンタジックなワードは用いず、コンパクトにまとまった曲を集めたものになっています。
    1曲目の Dreamer はツインギターのファンキーなナンバーで、メロディは強くないものの、非常にノリのいいナンバーです。それもそのはず、グルーヴィなプレイのベーシスト、ゲイリー・セインのクレジットがあります。
    2曲目の Steallin' は、スロウテンポのシャッフルの曲で、メジャーキーです。この曲は、最近のラインナップでもプレイされていました。1曲目、2曲目ともメジャーキーで、なかなか明るいオープニングを飾っています。
    4曲目のタイトルトラックは、6分と少し長い楽曲ですが、ヒープにしてはそれほど長いというほどでもないでしょう。静かに力強い作風といったところでしょうか。長いソロプレイなどもなく、歌を中心に組み立てられた楽曲です。A面最後、アルバムのハイライトの一つでしょう。
    5曲目の If I had the time はシンセのリフの印象的なイントロで、前編を通じてこの音は使われていて耳に残ります。
    6曲目の Seven stars はアップテンポのシャッフル、メジャーキーで明るいノリのいい楽曲です。アコギのカッティング、厚いオルガンのバッキング、ポップな歌がそれらの上に乗ります。
    7曲目の Circus は、ドラムスはハットやリムショット的な静かなビート、およびパーカッションを用いた変った組み合わせで、ベースはなし、ギターはアコギとハーモニクスなどを中心とした音色になっています。南米の音楽(サルサ、ボサノバ)などにも通じるリズムを取り入れ、若干物悲しい感じのメロディを乗せています。
    最後の Pilgrim は、これはヒープ節の炸裂した曲です。イントロはオルガンとピアノ、それに層の厚いコーラスを中心としたメロディアスなもので、これぞヒープという仕上がりです。ギターのリフにもワウを用い、ミック・ボックスらしさを出しています。もちろんソロでもワウは大活躍です。曲中、テンポチェンジも何回かあり、以前の作風と同じものを感じさせます。最後は力強いビートの上に、レズリースピーカを通したであろうロータリーサウンドのオルガンが響かせ、クライマックスを迎えます。

    レビューしてきましたが、残念ながら以前のアルバムと比べると、これといった名曲もインパクトのある曲も収録されておらず、今までのアルバムを聞いてきた人からしてみると、拍子抜けの感は拭えません(もちろん筆者のようなジャンキーからしてみれば、何回も聞き込む上で、なかなか渋みのあるいい曲だと感じているものもあるのですが・・)。しかしながら、ヒープファンなら必ず聞かなければならないアルバムです。成功をおさめたあとのミュージシャンの作品、その中にはいろいろな思惑が現れ、反映されるものです。


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