Melogress Official Website Yes ファミリーの穴熊 by Ryu

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    Yes ファミリーの穴熊 by Ryu


    Badger / One live Badger ('73)



    今回は Yes ファミリーのバンドを取り上げます。

    Yes はプログレバンドの王道を行くバンドで、メンバーチェンジが激しく、その彼らが Yes 加入以前、脱退後にやってたバンドってのがけっこうあります。

    Yes と言えば、このコラムでも Itaru が執筆したリック・ウェイクマンが熱かったですが(笑)、そのリックはオリジナルメンバーではありませんでした。トニー・ケイというキーボディストが居て、その彼が脱退した後に後任として Strawbs からリックが迎えられたのでした。

    Strawbs もフォークとエレキ、プログレの交錯するなかなか面白いバンドなのですが、それはまたの機会で取り上げるとして、今回はトニー・ケイの方のバンドを取り上げます。



    トニーは Yes 脱退後、同じく Yes を脱退したギタリストのピーター・バンクスが結成した Flash のアルバムでプレイしたりしていましたが、その後に自分が中心となってバンドを結成します。

    それがこの Badger で、メンバーはギターにブライアン・パリッシュ、ドラムスにロイ・ダイク、ベースにデヴィッド・フォスター、そしてキーボードがトニーです。

    ブライアン・パリッシュはこれより以前、Gun ~ Three man army ~ Baker Gurvitz army と次々とバンドを立ち上げてゆくガーヴィッツ兄弟の兄でベーシストのポール・ガーヴィッツと、Parrish & Gurvitz というそのものの名前で活動していました。

    ロイ・ダイクは、ジョン・ロードの友人のキーボディスト、トニー・アシュトンと Ashton, Gardner & Dyke でプレイしていました。

    デヴィッド・フォスターは、同姓同名のあの人ではなく(笑)、ジョン・アンダーソンの古い友人で、Warrior というバンドで一緒に活動していました。



    この4人で活動を始めた Badger ですが、デビューアルバムがなんといきなりライブアルバム(!)です。

    その名も「One live Badger」で、72年の12月ごろ、Yes のサポートアクトを務めていたステージの音源ということです。

    Yes は「Yessongs」というライブ音源を発表していますが、そのビデオ映像を収録したときのステージということなのです。

    ジョン・アンダーソンが「Yes が音源を録るステージだから、Badger も録ってみれば?」という提案をしたのかもしれません。

    事実、Badger のこのライブアルバム、プロデューサのクレジットにジョンの名前が混じっていて、のっけから Yes との関係の深さをうかがわせます。



    アルバムジャケにしてもそうです。Yes のジャケと言えば、あのロジャー・ディーンが担当したものが多いですが、この Badger のデビュー作も彼が描きました。

    ロジャー・ディーンは Yes ファミリーならずとも、例えば Gravy train、Babe Ruth、Paradinなど、当時の英国ロックバンドの様々なジャケを担当した人です。

    その彼が Badger のジャケを担当したのは、単に Yes つながりからかと思われがちですが、実はそうではなく、彼自身が Badger(つまり穴熊)が好きだったからということです。

    たったの4時間程度で制作されたというこのジャケットは、寒そうな雪景色の中、2匹の穴熊が描かれたものになりました。

    また、ジャケットの見開きに織り込む「飛び出す絵本」的な工作のオマケもついています。

    これはロジャーのアイディアに違いないでしょう。



    で、肝心のサウンドのほうですが、ライブならではの緊張感も手伝って、キーボードとギターのバランスの取れた、なかなかプログレ然とした良質の音になっています。

    一時期の Yes ほどではありませんが、展開の豊かな楽曲もありリスナーを飽きさせません。

    メインのリフレインをギターとキーボードでユニゾンで演奏する場面が多く、インパクトのあるアレンジになっています。

    また、キーボードとギターのソロが延々とフューチャされる場面も多く、ハードロック的なアプローチも感じます。

    リード・ボーカルのクレジットが無いため、誰が歌っているのかは正確にはわからないのですが、おそらくそれまで歌ってたことのあるブライアン・パリッシュが担当しているのではないでしょうか。

    楽曲はメンバーみなで担当したものが殆どですが、まず作曲は担当しないトニーですから、おそらくブライアン・パリッシュを中心に作っていったと推測されます。このことが、後の Badger の活動の仇となるわけですが・・

    ただ残念なことに、名曲と言わせるようなまでのクォリティの楽曲はなく、全部が平均的に高いという、いわゆる佳作のアルバムといったところでしょうか。



    このライブ盤でデビューを飾った Bagder ですが、初のスタジオ盤となる次回作を発表するまでに、例によってメンバーチェンジが発生してしまいます。ギターのブライアン・パリッシュとベースのデヴィッド・フォスターが脱退していまいます。

    そこで迎えたのが、ギターにポール・ピルニック、ベースにはロイ・ダイクと以前コンビを組んでいたキム・ガードナー、そしてボーカルには既にソロで活躍していたジャッキー・ロマックス。

    5人組となり、それまでの中心人物であったブライアン・パリッシュの代わりにジャッキー・ロマックスが就任し、まったく別のバンドといっていいほどの変貌を遂げます。

    トニー・ケイが始めたバンドであり、彼がまだ在籍しているにも関わらず、この2ndの「White lady」では作曲には一切タッチせず、すべての楽曲を新シンガーのジャッキー・ロマックスが手がけ、それまでの彼の路線であるソウル・R&B色の強いものになってしまうのです。

    もちろん、トニーにもそのバックグラウンドがあり、またロイ・ダイクとキム・ガードナーの二人は Ashton, Gardner & Dyke で同じく黒っぽい路線で活動していたこともあり、バンド全体で見れば各自の共通するところの音だったのかもしれません。

    しかし Yes ファミリーの一員であり、デビュー作ではその期待に応えたサウンドを展開していたものですから、その変貌ぶりには当時のリスナーは拍子抜けしてしまったそうです。

    筆者はこちらも聞きましたが、ホーンセクションや女性コーラスがフューチャされたわりとゴージャスでソウルフルな感じで、プログレバンドだと期待して聞かなければなかなか悪くない感じです。

    メンバーチェンジでフロントマンや中心人物が代わってしまい、同じバンドなのに全く方向性が変わってしまうバンドというもがたまにありますが、Badger もまさにそういったバンドと言えるでしょう。

    トニー・ケイさえしっかりしてれば、こんなことにはならなかったのかもしれませんが・・
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