Melogress Official Website Uriah Heep Vol.14 「ABOMINOG」 by Ryu

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    Uriah Heep Vol.14 「ABOMINOG」 by Ryu



    先日の来日の興奮もさめやらず、本シリーズを続けます。
    今回は、13枚目の Abominog になります。

    前作の Conquest のリリースの後、ツアーはやったようですが、その後、ついにバンドの中枢を担っていた、ケン・ヘンズレイが脱退してしまうのです。
    これはバンドの歴史において、もっとも大きな事件だったと言えるでしょう。
    このときから30年以上経った今でも、みながそう思っています。
    看板シンガーだったデヴィッド・バイロンが脱退したときも大きなインパクトがありましたが、
    バンドは続きました。
    しかし、楽曲のほとんどを手がけ、ギターもコーラスもこなすケン・ヘンズレイの脱退は、イコール、このバンドの終焉と、
    誰もが思ったことでしょう。

    いったんカナダ人のグレッグ・デシャードを後任に迎え、Think it over という楽曲をリリースしますが、ほどなくしてミック・ボックスをのぞいたメンバー4人が脱退してしまいます。
    そしてついに解散かと思われましたが、しかし、唯一残ったオリジナルメンバーのミック・ボックスは、そうはさせませんでした。

    一方、良いニュースもあります。
    クリス・スレイドが埋めていたドラマーのポジションに、リー・カースレイクが復帰したのです。
    彼は脱退中は、オジー・オズボーンのプロジェクト、Blizzard of Ozzに結成メンバーとして参加していました。
    あのランディ・ローズが参加していた時期になります。
    この後、オジートミー・アルドリッジランディ・カスティロといったドラマーとプレイしてゆきますが、
    ソロとしてはリー・カースレイクが最初のメンバーだったということです。

    また、リーオジー・オズボーンで一緒にプレイしていたベーシスト、ボブ・ディズリーを連れて戻ってきます。
    ボブ・ディズリーはベーシストであり、ソングライターであり、この後はプロデューサとしても才能を発揮する人物です。
    オーストラリア人で、しかし Chiken shackWidow maker といったブリティッシュブルースロックバンドからキャリアをスタートさせます。
    その後、あのリッチー・ブラックモアに誘いを受けて Rainbow に加入、その後はオジー・オズボーンに加入したという経緯でした。

    シンガーのジョン・スローマンもわずか1枚のアルバムを残したのみで脱退してしまったので、後任を迎えなけれなりません。
    ケン・ヘンズレイは、ジョン・スローマンを迎えるタイミングで、Trapezeグレン・ヒューズ脱退後に歌っていたピート・ゴルビーを推していました。
    しかしミック・ボックスはより若いスローマンをということで、ケンの反対にも関わらず、スローマンを加入させました。
    ケンが脱退するきっかけとなったのは、Uriah Heep に不似合いなシンガーを迎えてしまったことだということです。
    そしてスローマンの後任は皮肉にも、そのピート・ゴルビーでした。

    また当然、ケン・ヘンズレイの後任も必要です。
    ここには元 Heavy metal kidsジョン・シンクレアを迎えます。
    彼はオルガンやピアノといったトラディショナルなキーボードだけでなく、
    当時確立されつつあったシンセサイザーも使いこなすプレイヤーで、
    またも本格的にアメリカンマーケットを狙うバンドにとって、うってつけのプレイヤーであったと言えるでしょう。
    ケンを失ったことは大きいですが、また異なる才能を得たと言えるでしょう。

    この5人で制作されたのがこのアルバムで、邦題は「魔界再来」です。
    サウンドは全体的に、いかにもという形でアメリカンナイズされた、キャッチーなものになっています。
    ポップという意味ではなく、例えば1曲目の Too scared to run はかなりヘヴィなギターのリフレインから始まるし、
    メリハリのついたハードさがあります。
    どの楽曲も、平均点以上の出来といっても良いでしょう。


    それもそのはず、なぜかこのアルバムは、いままでなかった外部のライターの楽曲を採用しているのです。
    しかも5曲と、半数は外部のライターの楽曲です。
    3曲目の On the rebound は、なんとあの Argent の盲目ギタリスト、ラス・バラードの曲です。
    Rainbow の SInce you been gone、I Surrender の作者といったほうが、すぐに分かる人も多いはずです。
    Argent については、かなり前の別の投稿で書いたことがありますね。
    この曲のハードな中のポップ感覚はなかなかです。
    他の楽曲も、外部のライターに提供してもらった佳曲で、しかしバンドでアレンジして仕上げることで、彼らの楽曲にしています。


    4曲目の Hot night in a cold town も、イントロからピアノとボーカルで聞かせ、その後はハードなリズムが展開するという楽曲で、早くもピート・ゴルビージョン・シンクレアが聞かせてくれています。
    5曲目のRunning all nighT (with the lion)は、メジャーキーの明るい感じで、アメリカ志向のサウンドと相まって、80年代の古き良きサウンドに仕上がっています。
    軽快なリズム、ハードにドライビングするギターリフとオルガン、力強く歌い上げるボーカル、そして全体をリードするポップなシンセと、かなり完成度の高い楽曲です。
    7曲目の Prisoner は、もの悲しいメロディの楽曲で、ピート・ゴルビーの歌唱力が光っています。
    Uriah Heep のシンガーは、みなハードな楽曲もバラードも歌いこなしてきましたが、彼もその役割を十二分に務めています。

    バンドのメンバーで書いた楽曲は、メンバーみなのクレジットになっています。
    今まではケン・ヘンズレイだけで書いている曲がほとんどだったのですが、その彼が脱退し、新たなメンバーをたくさん迎えた今、その彼らの才能を集結させている形です。
    その結果、なかなか良い楽曲が生まれています。
    9曲目の Sell your soul は、テンポチェンジのあるプログレッシブな展開を持った楽曲です。
    ハードなパートでは盛り上がり、彼ららしいサウンドになっています。

    そして最後の Think it over は、脱退したトレバー・ボルダージョン・スローマンが書いた曲です。
    スローマンに関してだと、彼が唯一残した作品のようです。
    前述のように、スローマンが在籍したころにいったんシングルでリリースされた曲ですが、ここでは新メンバーで新たに録音され直しています。
    これがメロディアスかつドラマチックな名曲で、サビでは大合唱が起こりそうな、典型的なメロディアスハードロックチューンになっています。
    スローマンのライブバージョンがありました。


    全体的にほめてきましたが、その通りで、かなり良い出来のアルバムです。
    サウンドはよりアメリカンナイズされてしまいましたが、その方向性でハード・ヘヴィになっていて、
    Fallen angel や  Conquest で若干後退したとも言えるその方向性で、いま一歩踏み出しています。
    当時も、わりと好意的にマーケットに迎えられたようです。
    ケン・ヘンズレイが脱退したとき、誰もが Uriah Heep は終わったと思ったことでしょう。
    そして新メンバーにより傾向がことなる形で制作されたこのアルバムを聞いたとき、その思いを強めたことでしょう。
    しかし、このアルバムは十分に佳作と呼べる水準に達しています。
    ケン・ヘンズレイ無き後のヒープに、それができると誰が期待したことでしょう。

    その後、バンドは現在まで続いていますが、その長い歴史の中では、ひとつの通過点に過ぎません。
    デヴィッド・バイロンはおろか、ケン・ヘンズレイさえも欠いて制作されたこのアルバムは、Uriah Heep の新たな歴史を刻んだ大きな一歩というべき作品と言えるでしょう。

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     オジーのバンドのメンツって…、とアレコレ見てたり調べたりしたら相当色々と面白いことが見えてきて…、いや、メンバーの名前自体はアチコチで見かけたんだけど自分の中で体系化できていなかったからちょっと...
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