Melogress Official Website 2006年09月

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    都内で活動中のギターレスプログレッシブロックバンド、Melogress (メログレス)公式サイト。

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    Uriah Heep 番外編1 Gods 「To Samuel a son」 by Ryu

    さて、初期アルバムのレビューも終わったということで、ここらで番外編を始めます。ヒープの魅力はそのサウンドであることは明白ですが、非常にメンバーチェンジの激しいバンドであり、その人脈とそれにまつわる話でまたいろいろと楽しめるバンドなのです(筆者の場合、むしろそちらがメインか・・笑)

    で、今回は番外編第一弾ということで、プレ Uriah Heep、すなわちヒープ結成前にメンバーが活動していたバンドを紹介します。以前の投稿でも触れた、The Gods というバンドです。このバンド、ヒープのオリジナルメンバーであるケン・ヘンズレイポール・ニュートンを輩出したバンドであり、リー・カースレイクも在籍してました。ヒープの原型となったバンドの一つです。それに加えて凄いのが、このバンド、あのミック・テイラー、グレッグ・レイクといった有名どころのミュージシャンも輩出し、ジョン・グラスコックといった名手も輩出しているのです。名前に違わぬ凄いバンドです。

    65年の初頭、ケン・ヘンズレイ(Key、G, Vo)を中心に、ミック・テイラー(G)、ジョン・グラスコック(Ba)、ブライアン・グラスコック(Dr)というラインナップで結成されます。グラスコック同士は、いとこの関係だったと記憶してます(もし兄弟なら Styx、Blue Oyster Cult みたいだ!)。しかしこのラインナップではシングルを発表した程度の活動だったようです。ほどなくヘンズレイを残してみなが脱退してしまい、代わりにポール・ニュートン(Ba)、リー・カースレイク(Dr)、ジョン・コナス(G)が集まります。ここでニュートンと知り合い、後にヘンズレイは、彼からヒープへの結成時に加入を要請されることになります。また初期のドラマーが安定しなかった時期を経てから声をかけるカースレイクとは、同じくここで知り合っています。ヒープを語る上では、かなり重要な出会いとなっています。

    しかし程なくして、ポール・ニュートンが脱退してしまい、代わりにベーシストで加入したのは、あのグレッグ・レイクです。しかしこれはうまくいきません。ヘンズレイの言葉を借りるなら「グレッグはバックグラウンドを共有するには才能がありすぎた」ということです。なるほど、彼はこの後 King Crimson の結成時のメンバーに名を連ね、その後は EL&P で大躍進するという、プログレ界のスター街道をひた走るわけですから、ヘンズレイの言うことも最もです。The gods のほうはどうしたかというと、オリジナルベーシストのジョン・グラスコックが復帰します。そうしてようやく、待望の 1st アルバム「Genesis」の制作にこぎつけるわけです(残念ながら未聴・・)。その後同じラインナップにて、セカンドの当作を発表します(ようやく本題に来た・・汗)。

    さてこのアルバムですが、プログレというには物足りない感じですし、69年ですから、ハードロックが台頭する直前という時期です(Zep でいうと3rd が出る前、PurpleでいうとIn rock の前、Sabbath はデビューすらしていない)。サイケな雰囲気と、ポップな感じが交錯し、若干、その後のヒープを彷彿させる要素がある、といったところでしょうか。サイケな曲では当時のフロイド(このジャケは「夜明けの口笛吹き」のパクりと言えなくないかも?!)、ポップな曲ではビートルズとも似たところを感じることができます。筆者はサイケもポップも好きなので、十分に聴ける作品となっています。注目すべきは、ヘンズレイがリードボーカルも取り、中心人物でありながら、楽曲はメンバーそれぞれが書いているということです。カースレイクまで2曲も書いています。それぞれ平均的に良い曲が多いのですが、例えば「あ、これいいな」と感じる曲(例えば Candlelight という曲)は、やはりヘンズレイが書いた楽曲だったりします。なぜ良いと感じたかと言えば、やはりヒープ節に通じるものがあるからではないでしょうか。

    この後のヘンズレイは、前述の様に先に脱退したポール・ニュートンに要請されてヒープの結成に立ち会うのですが、その前に Toe fat というバンドに関わります。それについては、またの機会に譲るとしましょう。
    他のメンバーのその後についても触れたいと思います。
    ミック・テイラーは John Mayall blues breakers に行き、その後は The rolling stone に加入するのは有名な話です。
    ジョン・グラスコックヘンズレイと同じく Toe fat を経た後、スタン・ウェブの Chicken shack、その後 JethroTull といったバンドで、自由奔放なプレイを聞かせ、そのあとバーニー・マーズデンらと Wild turkey の結成だったと思います(記憶があいまい・・失礼)。
    ブライアン・グラスコックは、同じくこの後 Toe fat です。
    グレッグ・レイクは前述の通り、King Crimson から EL&P です。
    ジョン・コナスは同じく Toe fat に行き、その後は音楽業界を引退してしまったようです。

    といった形で、非常に密度の濃い人脈関係となっています。楽曲的にも平均よりずっと上にあるし、ヒープファンなら必聴の一枚と言えるでしょう。早くこのバンドの 1st も聴かねば!


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    Uriah Heep Vol.7 「WONDERWORLD」 by Ryu

    邦題は「夢幻劇」。さすがに最近はあまり聞いていませんでした(笑)
    それでももちろん、初期ヒープのアルバムにはずれはありません。
    2~3分代の短めのコンパクトな曲が目立って収録されています。

    メンバーは前作から代わっていません。
    ジャケはそのメンバーたちが、石像に扮するというユニークなタッチのものです。

    1曲目のタイトルトラックは、少し不思議な雰囲気の楽曲です。ギターやオルガンといった音色でゴリ押しするでもなく、ドラムスやベースのせわしないビートで押すわけでもなく、ムーグなどのアナログシンセの太い音を主メロに用い、インパクトのあるフレージングが中心を据えています。この手法、例えばうちのバンドの Touch me now という楽曲でも採用しています(Itaru はこの曲を知らないのでパクりではないです、悪しからず・・笑)。イントロが終わると一転して静かになるあたりは、楽曲を引き立てるアレンジとしては常套手段ですが、ヒープがやると、さすが、という感じに聞こえます(非常に様になっているので)。サビでは例によって、分厚い層の美しいコーラスが聞けます。オルガンも白玉系(注:音を長く伸ばす演奏)、コーラスも白玉系と、音に厚みがあります。これがコーラスもやらないギター1本だけのバンドだったら、こんなアレンジになりっこありません。
    2曲目の Suicidal man は、メンバーみなで書いた曲です。このアルバムは珍しくそういう楽曲が4曲も収録されています。ヘンズレイ一人で書いている曲が占めているアルバムが多い中、この点はこのアルバムならではの要素ではないでしょうか。この曲はミディアムテンポの16ビートの曲で、ゲイリー・セインのラインが目立って聞こえます。彼のお得意の楽曲といった印象を受けます。リーはスネア4分打ちのプレイを基調として、随所のフィルでは16分を中心としてプレイをしています。いつも思うのですが、リー・カースレイクは、かなりいいドラマーだと思います。ヒープの楽曲群を、いつもいいアイディアで具現化するリズムを繰り出してくるからです。
    3曲目の The shadow and the wind は、明るくて力強いナンバーなのですが、最初はなかなか始まらないし、フェードイン的に各楽器が加わってゆく形なので、少々じれったい感じもします。シャッフルでメジャーキーということで、前作の Seven stars にも通じるところがある作風です。もちろんコーラスも美しい。
    4曲目の So tired は、けっこうなアップテンポのエイトビート、歪んだオルガン・ギターと、典型的なアプローチの楽曲です。しかも中間部では、ドラムがオンビートの中、各楽器のプレイが順にフューチャされるという、ヒープにしては珍しいアレンジになっています。ライブでメンバー紹介に用いるなどして、盛り上がりそうな感じといったところでしょうか。
    5曲目の The easy Road は、前々作の Rain のようなやさしいバラードです。最初はピアノのみのバッキングで、後半になるにしたがい、ほかのストリングスやホーン、アコギなどの音が加わります。その部分は非常に短いですが、オーケストレーション的な要素があります。これはなかなかいい楽曲です。
    6曲目の Something or nothing は、アップテンポのシャッフル、元気のいいビートの楽曲です。Easy livin' のメジャーキー版(?)といった感じです。短いギターソロがあるのは異なりますが。
    8曲目の We got we は、メインのベースの急いだライン、その裏で鳴るクラビネットの音で構成されるリフレインが印象的な楽曲です。ドラムスもアイディアが多彩で、いろんなネタをちりばめています。ボーカルとコーラスもそのメインリフの上で印象的に響ます。この楽曲もメンバー全員で書いた曲ですね。
    最後の Dreams は、これまた不思議な作風で、6分とこのアルバムの中ではけっこう長い曲です。シャッフルでミディアムということで、Magician's birthday に中につなげたらマッチするかもしれません(笑) 最後の最後には、前作の Dreamer のボーカルの部分だけサンプリングしたものを用いています。タイトルつながりといったところでしょうか。残念ながら、かつてのプログレ風の大作には前々及んでいず、力不足の感は否めません。

    このころのヒープは、完全に大作主義から脱却していたとも感じられます。
    このアルバムもシングル向けの曲が多く、ポップなメロディも目立ちます。しかしバンドとして活動している以上、やはりヒープらしさは色濃く反映されています。


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    Uriah Heep Vol.6 「SWEET FREEDOM」 by Ryu

    今作の前にライブ盤を出しているのですが、そのレビューは割愛します。

    前作・前々作のアメリカでの成功を得て、この時期、ヒープは乗りに乗ってました。メンバーもリー・カースレイクゲイリー・セインを迎え、強固なラインナップとなりました。今作品もモチロン、同じラインナップで制作されています。

    ところがアートワークの方は、ロジャー・ディーンの起用をやめ、それどころか朝日の中にメンバーが浮かび上がるという、何ともイメチェンをしたものとなっています。前2作の創作風のコンセプトが続くのかと思いきや、思わぬ方向転換です。

    それは楽曲の作風にも表れています。Demon、Magic といったファンタジックなワードは用いず、コンパクトにまとまった曲を集めたものになっています。
    1曲目の Dreamer はツインギターのファンキーなナンバーで、メロディは強くないものの、非常にノリのいいナンバーです。それもそのはず、グルーヴィなプレイのベーシスト、ゲイリー・セインのクレジットがあります。
    2曲目の Steallin' は、スロウテンポのシャッフルの曲で、メジャーキーです。この曲は、最近のラインナップでもプレイされていました。1曲目、2曲目ともメジャーキーで、なかなか明るいオープニングを飾っています。
    4曲目のタイトルトラックは、6分と少し長い楽曲ですが、ヒープにしてはそれほど長いというほどでもないでしょう。静かに力強い作風といったところでしょうか。長いソロプレイなどもなく、歌を中心に組み立てられた楽曲です。A面最後、アルバムのハイライトの一つでしょう。
    5曲目の If I had the time はシンセのリフの印象的なイントロで、前編を通じてこの音は使われていて耳に残ります。
    6曲目の Seven stars はアップテンポのシャッフル、メジャーキーで明るいノリのいい楽曲です。アコギのカッティング、厚いオルガンのバッキング、ポップな歌がそれらの上に乗ります。
    7曲目の Circus は、ドラムスはハットやリムショット的な静かなビート、およびパーカッションを用いた変った組み合わせで、ベースはなし、ギターはアコギとハーモニクスなどを中心とした音色になっています。南米の音楽(サルサ、ボサノバ)などにも通じるリズムを取り入れ、若干物悲しい感じのメロディを乗せています。
    最後の Pilgrim は、これはヒープ節の炸裂した曲です。イントロはオルガンとピアノ、それに層の厚いコーラスを中心としたメロディアスなもので、これぞヒープという仕上がりです。ギターのリフにもワウを用い、ミック・ボックスらしさを出しています。もちろんソロでもワウは大活躍です。曲中、テンポチェンジも何回かあり、以前の作風と同じものを感じさせます。最後は力強いビートの上に、レズリースピーカを通したであろうロータリーサウンドのオルガンが響かせ、クライマックスを迎えます。

    レビューしてきましたが、残念ながら以前のアルバムと比べると、これといった名曲もインパクトのある曲も収録されておらず、今までのアルバムを聞いてきた人からしてみると、拍子抜けの感は拭えません(もちろん筆者のようなジャンキーからしてみれば、何回も聞き込む上で、なかなか渋みのあるいい曲だと感じているものもあるのですが・・)。しかしながら、ヒープファンなら必ず聞かなければならないアルバムです。成功をおさめたあとのミュージシャンの作品、その中にはいろいろな思惑が現れ、反映されるものです。


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    Uriah Heep Vol.5 「THE MAGICIAN'S BIRTHDAY」 by Ryu






    3部作の最終作です。今作もロジャー・ディーンによるジャケで、タイトルも「魔の饗宴」と、それらしい雰囲気になってます(笑)
    お家芸とも言うべきメンバーチェンジは、今回は発生していません。この作品が初めてですね、そのケースは。

    1曲目の Sunrise は、おごそかなフェードインのイントロから始まりますが、すぐにヒープ節のハイトーンによるコーラスワークが聞けます。
    一転して2曲目の Spider woman は、ロックンロール調の陽気なナンバーです。荘厳なイメージのヒープですが、初来日公演時にはロックンロールメドレーを披露するなど、ベーシックな部分ではこの要素は強かったようです。注目すべきは、Sunrise はヘンズレイのみのクレジットであり、この曲はヘンズレイ以外の4人のメンバーのクレジットということです。
    3曲目の Blind man は、哀愁ただようミドルテンポのシャッフルの曲で、アコギやツインリードが物悲しさを強調しています。お得意のフォーキーナンバーにビートをつけた感じです。
    4曲目はシンセのリードとリードギターを用いた1分以上にもわたるイントロから始まる、プログレムードの漂う楽曲です。変拍子は用いず、楽器のコラボレーションやフレージング、ビートの緩急のつけ方だけで、十分に雰囲気を出しています
    5曲目の Rain は、ヘンズレイのピアノのバッキングのみの上で、バイロンが美しく歌い上げるバラードです。このやわらかな楽曲は、ヘンズレイの自身のソロアルバムでリメイクしています。もちろんそのバージョンでは、自らがボーカルを取っています。
    6曲目の Sweet Lorreine は、モジュレーションの利いたシンセリードのリフレインが印象的なナンバーです、中間部ではその音色によるソロがフューチャされていますが。
    最後のタイトルトラックは、10分にもおよぶプログレナンバーです。メジャーキーののんびりしたビートが前半をしめていますが、突然のフェードアウト・インで雰囲気は一転、ちょっとした前触れがあった後、カースレイクの激しいビートのみをバッキングとして、同じく激しいギターソロのパートがあります。このインタープレイは非常に熱いです。このアルバムにおいて、もっとも熱いパートかもしれません。16ビートのフレーズに、ドラムスがきちんと絡むあたりは盛り上がります。もちろんミック・ボックスお得意のワウワウも用いられます。数分この展開の後、またのフェードイン・アウトにより、のんびりした今度はシャッフルの曲調です。かなり聞きごたえがある、コンセンプチュアルな楽曲です。

    このころのヒープは、かなり大作指向に根ざしていましたが、これが不思議な時代で、こういった作風でもアメリカで売れてしまったのです。前作と今作は、かなり売れてミリオンセラーになったようです。作品のクォリティとしてもセールスとしても、まさに絶頂の時期を迎えていたと言っても良いでしょう。

    久々に本作を聞きなおしてみましたが、やはり名盤にふさわしい楽曲の目白押しです。筆者がヒープにはまっていった感覚を、久しぶりに思い出しました。というわけで、今回もイチオシです!


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