魂のチョーキング!ほとばしる感情叩きつけのギタリスト by Ryu

The band plays on / Back street crawler('75)
久々の投稿です。
久々のはずなんですが、他のメンバーが全然書いてくれないので、筆者の連投稿となっています・・
さて、今回は取り上げるのは、ブルース・ロックバンドの先駆け Free、その発展系でもあり、アメリカンナイズされてそのマーケットで大成功を治めた Bad Company、といったバンドの脇に位置するバンドです。
その2つのバンドは、ポール・ロジャース(とサイモン・カーク)が在籍したことで知られたバンドですが、この Back Street Crawler は同じく Free 出身でそのギタリストが後に結成したバンドです。
夭逝のミュージシャンは多いですが、本稿の主人公のポール・コソフもその一人です(享年25歳)。
ポール・コソフ(通称コス)は、実は筆者の最もお気に入りのギタリストでもあります。
好きなギタリストって、他の楽器のプレイヤーと比べるとあまりいないのですが、コスは別格です。
ヤバいくらいにほとばしる、魂のチョーキング!(注:ギターの弦を指板上で持ち上げて、音程を半音から2音ほど無段階で高めるエモーショナルなプレイ)
いやー、感情表現の塊です。
はっきり言って、エリック・クラプトンなんで目じゃないです。
Cream もジョン・メイオールも Blind Faith も Derek & the Dominos も聞きましたが、やはりコスにはかなわないと、個人的は思います。
彼のプレイの凄さは、言葉では描写できません(いや、全く)。
何気なくいっぺん聞いただけでも、分からないでしょう。
何回も聞いていると、その秘めたる感情が伝わってくるでしょう。
それがとても良いんです!
コスは Free で若くしてデビューし(当時20歳くらい)、成功を治めたミュージシャンですが、そんな若いメンバーで活動していたものだから、やはり長続きはしません。
解散、ほどなく再結成をするのですが、コスはメインで関わることはなく、自身のソロ・アルバムを発表します。
それが Back Street Crawler というアルバムで、いきなり完成度の高いインスト曲(展開もあり、ややプログレッシブとも言える)で始まる名盤で、Free 時代と変わらないビシバシの感情表現叩きつけのプレイを聞かせていました。
そして4人のメンバーを新たに集め、そのアルバム名を冠したバンドを結成します。
そして発表したアルバムが、本稿のアルバムです。
このアルバムもかなりの完成度です。
いや〜、ヤバいくらい炸裂しています(笑)
1曲目の Who do women の冒頭から聞かせてくれています。
もちろんチョーキングをです(笑)
ベース&ドラムスはわりとファンキーで、それにコスのソウルフルなギターが加わります。
2曲目の New York, New York は、ポップソングとして極上の名曲だと断言できます(!)。
これほど優れた楽曲は、そう簡単にないです。
個人的には、シアトルの Nirvana の Lithium とか、Police のEvery breath you take、はたまた Cyndi Lauper の Time after time とか、そういう名曲に匹敵するくらいの楽曲だと感じています。
この曲を初め、大半の楽曲を手がけるのはコスではなく、キーボードのマイク・モンゴメリです。
このプレイヤー、他に主だった活動もなく、けっして有名な人ではないのですが、このアルバム1枚で曲を書いてプレイしたというだけでも、ロック史に大きな功績を残したと言えるでしょう。
いやー、今日はベタボメです(笑)
このメンツでは1枚だけで、そのマイク・モンゴメリが脱退してしまい、変わりに後期 Free でプレイしていた Rabbit ことジョン・バンドリックが加入して、もう1枚アルバム 2nd Street を発表します。
このアルバム、例によってコレクター泣かせで、なかなかCDでは手に入りにくい時代が続いていました。
そして数年越しの思いが叶い(筆者の場合は6年くらい)、ようやく聞くことができたのですが、1枚目の衝撃から、かなりの期待をしてしまったのですが、やはりそれは無理というものでした。
コスのプレイはともかく、楽曲の良さが決定的です。
やはりマイク・モンゴメリの功績は大きかったと、今更ですが悔やまれます。
で、コスに話を戻すと、その2枚目のアルバムの後、飛行機に搭乗中にドラッグが原因で亡くなってしまいます。
そして彼のプレイは永遠に封印されてしまうのですが、作品はこうして光り輝いて残りました(ブルースギターのため、その表現は適切ではないかもしれませんが)。
言葉では何も伝えられません。
ぜひとも彼のプレイを耳にしてください。
そうすれば、筆者がここで大騒ぎしていることの理由を分かってもらえると思います。
彗星のごとくシーンに登場した、元祖スーパーバンド by Ryu

Captain beyond / Captain beyond('72)
このバンドはブリティッシュと呼ぶには少々難があるのですが、70年代の英国のHR、プログレッシブロックを語る上では避けて通ることのできないバンドなので、ここで取り上げることにします。
「また有名なのもってきたなー」
と感じるマニアの方もいらっしゃるかもしれませんが、ご愛嬌ということでカンベンしてください・・(^^;
なぜブリティッシュロックと呼べないかと言うと、Captain beyond はメンバーが英米混合のバンドで、しかもこの 1st アルバムのころは英 1/4、米 3/4 という比率だったからです。
その唯一の英国人は、シンガーのロッド・エバンス。
この名前を聞いてすぐに分かる人はすくないかもしれませんが、例えばイアン・ギランと言えば、誰でも知ってる Deep Purle のシンガーですね。
イアン・ギランは有名ですが、実は彼は Deep Purle のオリジナルメンバーではありません。
では、誰がオリジナルのシンガーであったかというと、このロッド・エバンスなのです。
これは割と有名な話で、Captain beyond と聞くと、「ああ、あのパープルの初代ボーカルが居たバンドね」という反応もよくあります。
彼の存在一人で、サウンド全部が英国的なものに聞こえてしまっているので、その歌声や存在感は圧倒的なものがあります。
では米国人のインスト隊は誰かと言うと、これまた強者ぞろいです。
ギターとベースの二人は、筆者の最も好きなバンドの一つである Iron Butterfly の出身です。
Iron Butterfly は60年代後半に、全米No.1のヒットソングを放ったこともあるほど、実力も知名度もあるバンドです(日本ではあまり知られていませんが)。
西海岸のサイケな要素のあるバンドですから、有名なところでは The Doors などが同世代の近いバンドにあたりますね。
「鉄の蝶」と名づけられたこのバンド名、何か重いもの(鉄)と何か軽いもの(蝶)を組み合わせ、この名前がつけられました。
サウンドのほうは、当時ののんびりしたサイケな雰囲気の楽曲もあるにはあるのですが、やはり重く沈みこむようなヘヴィな楽曲こそが彼らの魅力でした。
「重い」といっても、80年代以降のいわゆる Heavy Metal などの重さとは違って、60年代後半当時で精一杯の重さですので、メタラーのみなさんはあまり期待してはいけません(笑)
その Iron Butterfly でヘヴィなラインも聞かせていたのが、ベーシストのリー・ドーマンです。
彼のプレイはいいですよ〜♪
フェンダーのテレキャスターベースがメインベースで、ときにファンキー、ときにヘヴィなプレイで、印象的なラインをよく弾いています。
以前、このコラムで紹介した Hard Stuff のジョン・ガスタフスンと共に、ベーシストの筆者の最も好きなプレイヤーの一人です。
Iron Butterfly は、解散する前の最後のアルバムにてツインギター編成になるのですが、その片割れのラリー・リノ・ラインハルトとリー・ドーマンは、その後も一緒にバンドをやることを画策します。
そしてそのメンバーにドラマーとして、ボビー・コールドウェルを誘います。
ボビー・コールドウェルと言えば、あの AOR シンガーですが、Captain beyond のボビーとは同姓同名の別人です。
そもそもコールドウェルのつづりが、Caldwell(AOR シンガー)とColdwell(ビヨンドのドラマー)と異なります。
このドラマー、AOR シンガーほど有名ではありませんが、なめちゃいけません。
すさまじい才能の持ち主です!
このバンドの前にはジョニー・ウィンターのところでドラムを叩いていたのですが、そのバンドではホワイトブルースという音楽性であったこともあり、そんなに複雑なパターンはありませんでした。
ところがこの Captain beyond、かなりのプログレッシブな変拍子の嵐です。
しかもトータルコンセプトアルバムで、ノンストップというわけではありませんが、最初から最後まで一連のテーマで繋がっています。
楽曲はすべて、このボビー・コールドウェルとロッド・エバンスが手がけています。
そんな構築性のあるアルバムでドラムを担当しているわけですから、彼の技量の高さはうかがい知ることができます。
彼のドラミングは、繊細かつ大胆、そしてアフリカンビートやラテンのノリさえ含んだバリエーション豊かなプレイで、まったく隙がありません。
一つのバンドに長く在籍することがなく、しかもどのバンドもそれほど有名にならなかったため、あまり知られてないプレイヤーですが、70年代当時のドラマーとしては最も優れたドラマーであり、評価すべきプレイヤーだと筆者は強く感じます。
そんな Captain beyond は、元 Deep Purple、元 Iron Butterfly、元 Jony Winter and の実力者たちが集まり、トータルコンセプトアルバムを引っさげ、彗星のごとくシーンに登場したスーパーバンドです。
そのサウンドは、スペイシーな広がりを持つギター、縦横無尽な動きと展開を聴かせるドラム、そのドラムの変化に絶妙にマッチしたヘヴィかつタイトなベース、そして伝統的な英国の湿り気のあるボーカルと、明らかにそれまでにないタイプのバンドです。
まさにプログレッシブ(進歩的)であることを地で行くサウンドです。
バンドはこの後も続くのですが、残念なことにボビーが脱退してしまいます。
1st でそのサウンドを牽引していた彼の脱退を埋めるために、ドラムス、パーカッション、キーボードの3人ものメンバーが加わり、2ndアルバム(Sufficiently breathless)を発表するのですが、1stほど人気はありません。
前作のコンセプト的な雰囲気も継承し、リー・ドーマン師匠が全曲書き下ろしたということもあり、個人的にはけっこうお気に入りなのですが、1st アルバムの衝撃が強すぎたからか、2枚目のジンクスというものがあったようです(ちなみにその 2nd アルバムの邦題は「衝撃の極地」(笑))。
脱退したボビーは、Yardbirds、Renaissanceを経たシンガーのあのキース・レルフと、超ヘヴィブルースロックバンド Steamhammer の二人のバンド画策の誘いを受け、Armageddonを結成します。
これまたこれで、Captain beyond 並に衝撃があったのですが、時代がもうそういったサウンドを求めていなかったからか、わずかアルバム一枚のみで解散してしまいます。
そして70年代後半、Captain beyond が再結成されます。
メンツは 1st のラインナップからロッド・エバンズを除き、代わりにウィリー・ダーファンを加えた四人。
これで 3rd アルバムの Dawn explorsion を発表します。
これまたすごい名盤!・・・と言いたいところなんですが、実は筆者、まだ未聴なんです・・・(^^;
アナログ盤なら探せばすぐにあるかもしれませんが、CD化されているものの、なかなかCDは手に入らないのです。
個人的に最高と考えるドラムス&ベースのコンビが復活してるし、ぜひとも聞きたいのですが、これまた数年越しの想いになってしまっています。
「あそこで売ってたぞ」
という情報がありましたら、ぜひこちらまでご連絡ください(笑)
ツインキーボードにギターレス、個性的な英国プログレバンド by Ryu

Bedside manners are extra / Greenslade ('73)
ツインギターのバンドというのは数多く存在します。
最も身近なところでは yamaZaki や Buckskeller2.9 といったバンドですが、最も有名なところでは Rolling stones や Aerosmith、Oasis などがあがるでしょうか。
「確信的なロックのインストラメンツ」であるギターを、少人数のバンド編成の中で複数用いて、片方がリズムギター、もう片方がリードギターといったように役割分担をして、アレンジに幅を持たせることが出来ます。
あまりに馴染みすぎて、いまさら話題にあげるまでもないことでしょう。
では、ツインキーボードはどうでしょう?
ギターと同じくリードもリズムも取れる楽器ゆえ、バンドに複数のキーボードプレイヤーが居てもおかしくありません。
よくあるツインキーボード編成は、ピアニストとオルガニストがそれぞれ在籍し、各楽器にそれぞれが専念するというスタイルです。キーボードプレイヤーがバンドに一人しかいない場合、その一人がピアノもオルガンも担当するのが普通ですが、同じキーボードとは言え、ピアノとオルガンとでは出音もプレイスタイルも全く異なるため、それぞれ秀でたプレイヤーが担当するということになります。
こうした役割分担をしたバンドとしては、あの「青い影」で有名な Procol Harum があがります。
リードボーカルも担当するゲイリー・ブルッカーがピアノ、そしてバンドのサウンドを特徴づけるオルガンをマシュー・フィッシャーが担当し、見事に役割分担したツインキーボードサウンドを聞かせています。
このピアノとオルガンのコラボを中心としたツインキーボードの編成のバンドとしては、他に The Band、Mott the hoople、Spooky tooth といったバンドがあがります。
The Band では リチャード・マニュエルとガース・ハドソンがそれぞれピアノとオルガンを分けていました。
Mott the hoople では、ヴァーデン・アレンがオルガンを弾く一方、ボブ・ディランばりにピアノを弾きながら歌うイアン・ハンターがいました。
Spooky tooth では、マイク・ハリソンがピアノやハープシコード、ゲイリー・ライトがオルガンを担当し、両人ともリードボーカルを担当するものだから、ツインボーカルの二人がツインキーボードも担うという編成でした。
これらのバンドはツインキーボード編成ではありますが、当然のごとく「確信的なロックのインストラメンツ」であるギターを担当する人がバンドにいる上で、さらにそれぞれのキーボードプレイヤーが在籍しているということになります。
では、我々 Melogress のようにギターレスのバンドで、ツインキーボード編成のバンドってあるのでしょうか?
それが今回とりあげる Greenslade です(前ふりの長いやっちゃ・・笑)。
このバンドは二人のキーボードプレイヤー、それにドラマーとベーシストの4人編成です。
それぞれプログレ的なキャリアを経た人らが集まったバンドで、実力的にも保証つきです。
バンド名に自らのファミリーネームを持ってきたデイブ・グリーンスレイドは、英国ロック界にさまざまな影響を与えたという、あのジャズロックバンドの最高峰、Colosseum でオルガンを担当していたプレイヤーです。
Colosseum はギタリストの他にサックスプレイヤーも居て、中音域から高音域では、各人のインタープレイがぶつかりあっていたのでしょうか。
それに Colosseum は、完全にドラマーのジョン・ハイズマンのリーダーシップのもとに結成・運営されていたバンドでした。
デイブ・グリーンスレイドは、Colosseum 時代の同僚でもあり、後にプロデューサとして手腕を発揮するベーシストのトニー・リーブスを引き入れ、ドラマーには King Crimson に少し在籍していた手数の多いテクニカルなプレイヤーのアンドリュー・マカロクを迎えます。
そしてあとはギタリストを、というのが普通のバンド結成話の運びなのですが、このバンドは個性的なサウンドを目指していたからか、ギタリストは加えずに、代わりにもう一人のキーボードプレイヤーを迎えます。
迎えられたのは、後に Samurai という名前に代わる Web というジャズロックバンドで、キーボードとボーカルを担当していたデイブ・ロウソンでした。
こうした4人もの実力派プレイヤーが結成したバンドですから、その楽曲はクオリティが低いはずがありません。
もともとオルガニストのグリーンスレイドが主にオルガンを担当し、ピアノはデイブ・ロウソンが担当しているのでしょうか(正確なクレジットがないため推測)。
Greenslade はその2種類の単純な役割分担だけではなく、メロトロンやその他シンセなど、複数の鍵盤楽器によるコラボレーションを特徴としています。
シンフォニックな雰囲気の楽曲も多く、リズムは複雑で展開もあり、時代が時代だけにプログレの王道を行く数々の楽曲です。
そこにギターの音は一切なく、たくさんの音色を持った表現力豊かなキーボード群が占めています。
EL&P こそ、キース・エマーソンのクラシック趣味と天才的なプレイ、それと派手なパフォーマンスで知られた、最も有名なキーボードロックバンドですが、Greenslade はそれよりもっと、奥行きとか深さを感じされてくれるバンドです。
これはセカンドアルバムなのですが、彼らの4枚のアルバムの中では、最高峰の呼び名の高い名盤です。
6曲中3曲がインストゥルメンタルで、存分にキーボードの音色やコラボレーションを楽しめます。
それにこのバンドはキーボードだけが魅力というわけではなく、デイブ・ロウソンの柔らかいボーカル、そしてドラムスとベースの二人のプレイも存分に楽しめます。
4曲目のそのものズバリ「Drum folk」は、アンドリュー・マカロクのドラムプレイをフューチャした楽曲です。
ドラムソロが曲中にあり、その最後にスネアの連打でオンビートに戻ったと思ったら、それにリードのシンセのメインリフレインをユニゾン的に被せるというアレンジには圧巻です。
トニー・リーブスも音楽を知り尽くしたプレイヤーで、ギターがいないというバンドの都合上、わりと派手なベースラインを聴かせる場面があります。
ディストーションギターがないサウンドだからベースを歪ませる、という安易なサウンドメイキングをするわけでもなく、それまでの自分の音色とプレイをして、ギターレスバンドでベーシストを務めています。
同じくギターレスバンドの Melogress のベーシストという立場から、筆者は彼の気持ちが分かる気がします。
そうそう、それにこのバンドのジャケット、最初の2枚は、前回の Badger でも紹介したロジャー・ディーンが書いています。
Yes とは直接関係ないバンドですが、プログレバンドということでやはりロジャー・ディーンの範疇で描かれるバンドということでしょうか。
というわけで、これも間違いなしの名盤です。
日本盤も出ているので(というか、日本で世界初CD化されたのかも)、見かけたら即買いしましょう(笑)
Yes ファミリーの穴熊 by Ryu

Badger / One live Badger ('73)
今回は Yes ファミリーのバンドを取り上げます。
Yes はプログレバンドの王道を行くバンドで、メンバーチェンジが激しく、その彼らが Yes 加入以前、脱退後にやってたバンドってのがけっこうあります。
Yes と言えば、このコラムでも Itaru が執筆したリック・ウェイクマンが熱かったですが(笑)、そのリックはオリジナルメンバーではありませんでした。トニー・ケイというキーボディストが居て、その彼が脱退した後に後任として Strawbs からリックが迎えられたのでした。
Strawbs もフォークとエレキ、プログレの交錯するなかなか面白いバンドなのですが、それはまたの機会で取り上げるとして、今回はトニー・ケイの方のバンドを取り上げます。
トニーは Yes 脱退後、同じく Yes を脱退したギタリストのピーター・バンクスが結成した Flash のアルバムでプレイしたりしていましたが、その後に自分が中心となってバンドを結成します。
それがこの Badger で、メンバーはギターにブライアン・パリッシュ、ドラムスにロイ・ダイク、ベースにデヴィッド・フォスター、そしてキーボードがトニーです。
ブライアン・パリッシュはこれより以前、Gun 〜 Three man army 〜 Baker Gurvitz army と次々とバンドを立ち上げてゆくガーヴィッツ兄弟の兄でベーシストのポール・ガーヴィッツと、Parrish & Gurvitz というそのものの名前で活動していました。
ロイ・ダイクは、ジョン・ロードの友人のキーボディスト、トニー・アシュトンと Ashton, Gardner & Dyke でプレイしていました。
デヴィッド・フォスターは、同姓同名のあの人ではなく(笑)、ジョン・アンダーソンの古い友人で、Warrior というバンドで一緒に活動していました。
この4人で活動を始めた Badger ですが、デビューアルバムがなんといきなりライブアルバム(!)です。
その名も「One live Badger」で、72年の12月ごろ、Yes のサポートアクトを務めていたステージの音源ということです。
Yes は「Yessongs」というライブ音源を発表していますが、そのビデオ映像を収録したときのステージということなのです。
ジョン・アンダーソンが「Yes が音源を録るステージだから、Badger も録ってみれば?」という提案をしたのかもしれません。
事実、Badger のこのライブアルバム、プロデューサのクレジットにジョンの名前が混じっていて、のっけから Yes との関係の深さをうかがわせます。
アルバムジャケにしてもそうです。Yes のジャケと言えば、あのロジャー・ディーンが担当したものが多いですが、この Badger のデビュー作も彼が描きました。
ロジャー・ディーンは Yes ファミリーならずとも、例えば Gravy train、Babe Ruth、Paradinなど、当時の英国ロックバンドの様々なジャケを担当した人です。
その彼が Badger のジャケを担当したのは、単に Yes つながりからかと思われがちですが、実はそうではなく、彼自身が Badger(つまり穴熊)が好きだったからということです。
たったの4時間程度で制作されたというこのジャケットは、寒そうな雪景色の中、2匹の穴熊が描かれたものになりました。
また、ジャケットの見開きに織り込む「飛び出す絵本」的な工作のオマケもついています。
これはロジャーのアイディアに違いないでしょう。
で、肝心のサウンドのほうですが、ライブならではの緊張感も手伝って、キーボードとギターのバランスの取れた、なかなかプログレ然とした良質の音になっています。
一時期の Yes ほどではありませんが、展開の豊かな楽曲もありリスナーを飽きさせません。
メインのリフレインをギターとキーボードでユニゾンで演奏する場面が多く、インパクトのあるアレンジになっています。
また、キーボードとギターのソロが延々とフューチャされる場面も多く、ハードロック的なアプローチも感じます。
リード・ボーカルのクレジットが無いため、誰が歌っているのかは正確にはわからないのですが、おそらくそれまで歌ってたことのあるブライアン・パリッシュが担当しているのではないでしょうか。
楽曲はメンバーみなで担当したものが殆どですが、まず作曲は担当しないトニーですから、おそらくブライアン・パリッシュを中心に作っていったと推測されます。このことが、後の Badger の活動の仇となるわけですが・・
ただ残念なことに、名曲と言わせるようなまでのクォリティの楽曲はなく、全部が平均的に高いという、いわゆる佳作のアルバムといったところでしょうか。
このライブ盤でデビューを飾った Bagder ですが、初のスタジオ盤となる次回作を発表するまでに、例によってメンバーチェンジが発生してしまいます。ギターのブライアン・パリッシュとベースのデヴィッド・フォスターが脱退していまいます。
そこで迎えたのが、ギターにポール・ピルニック、ベースにはロイ・ダイクと以前コンビを組んでいたキム・ガードナー、そしてボーカルには既にソロで活躍していたジャッキー・ロマックス。
5人組となり、それまでの中心人物であったブライアン・パリッシュの代わりにジャッキー・ロマックスが就任し、まったく別のバンドといっていいほどの変貌を遂げます。
トニー・ケイが始めたバンドであり、彼がまだ在籍しているにも関わらず、この2ndの「White lady」では作曲には一切タッチせず、すべての楽曲を新シンガーのジャッキー・ロマックスが手がけ、それまでの彼の路線であるソウル・R&B色の強いものになってしまうのです。
もちろん、トニーにもそのバックグラウンドがあり、またロイ・ダイクとキム・ガードナーの二人は Ashton, Gardner & Dyke で同じく黒っぽい路線で活動していたこともあり、バンド全体で見れば各自の共通するところの音だったのかもしれません。
しかし Yes ファミリーの一員であり、デビュー作ではその期待に応えたサウンドを展開していたものですから、その変貌ぶりには当時のリスナーは拍子抜けしてしまったそうです。
筆者はこちらも聞きましたが、ホーンセクションや女性コーラスがフューチャされたわりとゴージャスでソウルフルな感じで、プログレバンドだと期待して聞かなければなかなか悪くない感じです。
メンバーチェンジでフロントマンや中心人物が代わってしまい、同じバンドなのに全く方向性が変わってしまうバンドというもがたまにありますが、Badger もまさにそういったバンドと言えるでしょう。
トニー・ケイさえしっかりしてれば、こんなことにはならなかったのかもしれませんが・・
米国ビッグネームを演出した英国バンド by Ryu

The babys / Union jacks ('80)
今回は The babys です。
このバンド、マイナーというにはかなりはばかりありますが、今となっては有名ではないので、ここで取り上げます。
このバンドが知られているのは、看板シンガーのジョン・ウェイトが、後にソロで全米1位のヒットを飛ばしたことも去ることながら、ジョナサン・ケインという Journey の後期をそのまま演出したキーボードプレイヤーを輩出したことにもあるでしょう。
70年代半ばより活動を始めたバンドです。
もともとこのバンドは、キーボードレスのツインギターバンドで、ジョン・ウェイトがベーシストを兼任していました。
ジョンを初め、メンバーみな甘いマスクのルックスで、名前も「The babys」と来たもんですから、世の女性ファンが黙っちゃいませんでした。
日本の女性の音楽ファンも、当時の異様な洋楽熱の高まりの中、黄色い悲鳴を飛ばした始めました。
ところがこのバンド、その名前やルックスとは裏腹に、サウンドは英国の正統派の割と地味なロックだったそうです(初期の作品は未聴です・・)。
そのギャップに、飛びついた女性ファンは拍子抜けといったところだったようです。
3枚目の Head first からはアメリカンマーケットを意識し、楽曲の路線やプロダクションが変わりました。
それに嫌気が差したのか、ギタリストの一人、マイク・コービーが脱退してしまいます。
ここでバンドに転機が訪れます。
新たにメンバーとして、ベーシストのリッキー・フィリップとキーボディストのジョナサン・ケインを迎えるのです。
ツインギターはやめて代わりにキーボードをフューチャし、ジョン・ウェイトはベースを置いてリードボーカルに専念と、準備は整いました。
そこで制作されたのが、この4枚目の Union jack です。
このアルバムはいいですよ。
オープニングの「Back on my feet again」なんて、ピアノなどキーボードが前面に出たキャチーなロックで、最高にカッコイイ。
新メンバーのジョナサンが、「Turn around in Tokyo」では、自身のボーカルも披露し、
作曲にキーボードにボーカルと、さっそく重要な役割を果たしています。
それにこのバンドは何といっても、ジョン・ウェイトの声がいい。
女性ならずともほれぼれしてしまう歌声です。
歌い方もロック的に表情豊かで、まさにバンドを牽引しているシンガーと言えます。
この後バンドはもう1枚アルバムを発表しますが、脱退したグレッグ・ローリーの後任としてジョナサンが Journey に引き抜かれてしまい、そのまま解散してしまいます。
これより前に The babys と Journey はツアーで一緒にまわったことがあり、そのときに Journey のメンバーがジョナサンに目をつけていたようです。
その後、Journey は空前のヒットを記録する Escape、Frontiesなどのアルバムを発表するのですが、ジョナサンのライティングとキーボード、コーラスなど功績は非常に大きく、ある意味それも The babys なくしてはありえなかったといえます。
しかも話はそこで終りではなく、90年代直前になり、この The babys が再編されます。
メンバーはジョン・ウェイトを中心に、後期のメンバーのジョナサン・ケイン、リッキー・フィリップ。
これにドラマーの ディーン・カストロノヴォ と、Journey のあのニール・ショーンをギタリストに迎え、
Bad English という名前でバンドが編成されます。
このバンド、Journey のニール・ショーンとジョナサン・ケインが結成したバンドとして紹介されることが多いのですが、
実体は The babys のほうがメンバーも多く、音楽性的にも後期 The babys のほうがより近いと言え、やはり The babys の再編と捉えるのが自然なようです。
HR/HM全盛期を経た時代の音ですから、やはりハードよりにはなっていますが、ジョン・ウェイトの声は健在ですし、楽曲のクオリティ、各プレイヤーの演奏力も札付きです。
The babysの後期とともに、このバンドの2枚のアルバムもお勧めです。
アメリカのビッグネームである Journey の歴史に隠れてしまいがちな The babys ですが、音楽性やルックスなど、どれをとっても一級のバンドです。
Journey やジョナサン・ケインが好きな人はもちろん、聞きやすい良質のブリティッシュロックを求めるならお勧めのバンドです。
ギターサウンド食いまくり!オルガニストの名前を冠したバンド by Ryu

Argent / Nexus('74)
今回は Argent というバンドを取り上げます。
あまりご存知ない方が多いと思いますが、このバンドの前身バンドの The Zombies は有名です。
最近、ニッサンの車ティーダのCMソングとして「二人のシーズン(Time of The Season)」がよく流れていました。
印象的なベースのフレーズに、Vox系っぽいチーチーとしたオルガンが響くあの歌です。
あの楽曲は、実はバンドの解散後に発表されてブレイクしたという、なんとも皮肉な結果の楽曲なんです。
ヒット曲に恵まれなかった The Zombies は解散してしまいますが、「二人のシーズン」のヒットに押されてか、
リーダー格であったオルガニストのロッド・アージェントは、再起をかけて自分のファミリーネームを冠したバンドを結成します。
それがこの Argent で、リードボーカルも彼が担当します。
他のメンバーには、ギター&リードボーカルにラッセル・バラードがいます。
この盲目のギタリストは、HR/HM 界隈では有名だったりします。
そう、Rainbow のあの「Since you been gone」や「I surrender」を作曲した人です。
彼は後にソロ活動やライターとしてその才能を開花させてゆくのですが、70年代はこのバンドに在籍していました。
ロッドの分厚いキーボードサウンドの陰に隠れて印象は薄いですが、楽曲によって作曲や歌では前面に出てきています(ちなみにギターははっきり言ってヘタ・・)。
肝心のサウンドのほうは、典型的な70年代のオルガンロックサウンドになっています。
ロッドの派手めのオルガンがいつも耳につき、ギターの音は完全に食われてて、前面に出てきません。
ソロを担当するのもギターではなく、ほとんどキーボードです。
Argent はプログレバンドとして取り上げられることは少ないのですが、
インストパートが多く、展開も多いプログレッシブな楽曲が多いのが特徴です。
The Zombies のベーシストであったクリス・ホワイトも、どのアルバムでも楽曲に携わり、
ロッドとの共作をたくさん残しています。
ロッド、ラス、クリスという優秀なライターたちと、ギタリストをのぞくベーシスト・ドラマー・オルガニストの高い演奏力により、あまりキャッチーではないですが、クオリティの高い作品がたくさんあります。
日本盤は一枚も発売されていなくて、外盤でもあまり見かけることがなく、これも筆者が手に入れるのに苦労したバンドです。
以前、一緒にバンドをやっていたドラマーに、「キミが好きそうなバンドだよ、Argent は」と言われたことがありました。
Atomic rooster や Deep Purple といった典型的なオルガンロックバンドが筆者のフェイバリットであったから、彼は奨めてくれたのでしょう。
筆者はラス・バラードのことは知っていましたが、Argent というバンドはその時に初めて知りました。
「アージェント?アージェントって、あの Foreigner の曲?」という間抜けな応答をしてしまったものです(それは「Urgent」 笑)。
このアルバムは、オープニングが The coming of Kohoutek という曲で、おごそかに始まります。
そこから3曲続けてインストの、なかなかしびれる展開で、ライブでもこれを再現していました。
アルバム後半はラスの楽曲と歌中心の、キャッチーな路線になっています。
Argent は日本ではかなりマイナーですが、本国やアメリカではそこそこ知られているようです。
またミュージシャン好みのバンドでもあり、Kiss や Uriah Heep といったバンドが彼らの楽曲のカバーをしています。
オルガンロック、キーボードを中心としたプログレが好きなら、見かけたらまず買いのバンドでしょう。
ブリティッシュロック界の強者結集! by Ryu

Hard stuff / Bulletproof('71)
さて、勝手に「ブリティッシュマイナー」という新シリーズを始めさせてもらいました。
「ブリティッシュマイナー」というのはあまり一般的な音楽ジャンルの言葉ではないのですが、
それが好きな人同士ではこの言葉で通じるので、このシリーズタイトルにしました。
だから厳密な定義があるわけではないのですが、「60〜70年代の英国のマイナーなハードロック」程度に認識しておいてください。
メジャー・マイナーの基準も人によってあいまいなので、「それはマイナーではないだろう〜」とつっこみがくる回があるかもしれませんが、あくまでも筆者の感覚によるマイナーという区分なので、その点もご了承くださーい <(__)>
で、記念すべき第1回なのですが、Hard stuff というバンドを取り上げたいと思います。
このバンド、ジョン・デュ・カン(G、Vo)、ジョン・ガスタフスン(B、Vo)、ポール・ハモンド(Dr)からなる、いわゆる典型的なギタートリオバンド(最近ではスリー・ピースと言われる編成)なのですが、3人とも英国ロック界を生き抜いて来た強者ぞろいのすごいバンドです。
このアルバムが発表されたのが71年なのですが、それより先に、各人いくつかのキャリアを経ています。
そしてこの後も、いろいろなバンドに関わってゆくことになります。
ジョン・デュ・カンはあまり有名ではないですが、60年代後半より The Attack(モッズ〜ブリティッシュビート系のバンド)や Andromeda(Hard stuff の雛型とも言えるトリオのハードロックバンド)といったバンドを率いていた、個性的なギタリスト/シンガーです。
彼のスタイルは、芯の細い音のシングルコイルのテレキャスターを好んで使用し、タイトなリフレインを全面に押し出したギタープレイで、筆者のお気に入りのギタリストの一人です。
注目すべきは、この人は60年代後半にすでに、ハードロックのギタリストとしてのプレイスタイルを確立していることです。
この時代といえば、メインストリームでは Jimi Hendrix や Led Zeppelin が出てきたばかりのころで、まだハードロックのギタープレイの概念が一般化していないころです。
有名でないからあまり話題にはのぼりませんが、ジミやジミー・ペイジと同時代の同格のギタリストと言っても過言ではないかもしれません。
70年代に入り、彼は Atomic rooster に加入します。
Atomic rooster は「EL&Pのカール・パーマーが居たバンド」として紹介されることが多いバンドですが、実態は彼は1stのみで脱退してしまったメンバーで、ジョン・デュ・カンと同時に在籍したのはほんのわずかの期間だったみたいです。
Atomic rooster は、オルガニストのヴィンセント・クレインが中心のバンドで、そこにジョン・デュ・カンとポール・ハモンドが加入し、オルガン・ドラム・ギターの、変則的なトリオのハードロックバンドになります。
そこではジョンとポールは2枚のアルバム制作に関わりますが、その後二人して脱退し、この Hard stuff をジョン・ガスタフスンとともに結成します。
ジョン・ガスタフスンは「ブリティッシュロック界きっての名脇役」と言われるほど、いろんなバンドに関わったベーシスト/シンガーです。
有名なものでは Roxy music と Ian Gillan band があがりますが、そのほか枚挙に暇がありません。
彼のキャリアは60年代初頭とかなり古く、 Big three というブリティッシュビート系のバンドからスタートしています。
このバンドは、あの Cream のマネージャが参考にしてメンバーに意見したという話もあるくらいです(エリック・クラプトンに影響を与えたか?!)。
その後、いくつかバンドを経てから Episode six というバンドに加入し、そこのメンバーのピーター・ロビンソン(Key)とミック・アンダーウッド(Dr)と巡り会い、3人で脱退して Quatermass というキーボードトリオバンドを結成します。
これはこれでプログレ史上に残る名盤を一枚だけ残したバンドなのですが、ほどなく解散し、ジョン・ガスタフスンは元 Atomic rooster 組の2人と合流し、Hard stuff を結成します。
ジョン・ガスタフスンは、ベーシストである筆者が好きなプレイヤーの一人で、長いキャリアの中でかなりいろんなプレイを聞かせてくれています。
この Hard stuff では典型的なハードロックのスタイルのベースプレイですが、Ian Gillan band ではかなりファンクよりのプレイだし、 Roxy music では長期在籍したサポートメンバーという形ですが、あの時代の Roxy music の音楽性に一役買っているプレイです。
ソロアルバム(「Goose Grease」というアルバム)も出していて、筆者はチェックしましたが、彼の歌とベースプレイがそれぞれフューチャされたなかなかの佳作でした。
ライティングやシンガーも担当する Hard stuff や Quatermass では、彼の個性が前面に出てきますが、ベースのみの参加のバンドではベーシストらしく脇役に徹し、ビシバシと渋いプレイを聴かせるというスタイルは、まさにベーシスト中のベーシストと言えるでしょう。
派手なプレイで有名なベーシストは多いですが、筆者は彼のようなプレイヤーこそ(ロック)ベーシストの模範としたいと思っています。
この Hard stuff のアルバムは、Deep Purple のマネージャらが設立したパープルレコードより発売されています。
このレーベルは、ロジャー・グローヴァー(Deep Purple のベーシスト)がプロデューザーとして関わったりと、パープルのメンバーともゆかりが深いレーベルで、この Hard stuff もそのひとつです。
このアルバムでも7曲目の Monster in paradiseを、ロジャーとイアン・ギラン(Deep Purple の2代目シンガー)と共作しています。
パープルの影響があるかどうかは一聴してはわかりませんが、ギターとベースの印象的なユニゾンのリフレインのハードなナンバーになっています。
そういった経緯で結成された Hard stuff のデビュー作なのですが、音の方はかなり硬い感じのヘヴィな仕上がりで、71年という時代を考慮してみると、当時ではかなり重量級のバンドであったと推測されます。
71年は Led Zeppelin が名盤の誉れ高い4枚目のアルバムを発表した年で、Deep Purpleで言うと、ハードロック路線に転換したアルバム In Rock を発表した年の翌年にあたります。
Hard stuffもこういったメインストリームのバンドと時代を同じくして、ロックという音楽ジャンルを切り開いていったバンドの一つと言えるでしょう。
このバンドの魅力は、楽曲によってシンガーが交代することにもあります。
楽曲は、ジョン・デュ・カンとジョン・ガスタフスンの二人のシンガーが手がけ、自分の書いた楽曲の歌は自分で歌うというスタイルです。
決して上手くはないですが、それぞれ Atomic rooster や Quatermass で既にリードボーカルを取ってきた彼らですから、きっちりとリードボーカルもこなしています。
中音域でザクザクと展開するギターのリフレイン、タイトなドラミングとベースライン、それに乗った二人のシャウティングなボーカルと、ハードロックの魅力をあますところなく伝えてくれる名盤です。
このアルバム、90年代初頭に MSI の「原型回帰シリーズ」で CD 化されていたものの、その後、廃盤の時期が長く続いていました。
筆者がこのアルバムの存在を知ったのもその廃盤時代で、2002年に Red Fox が再発するまで、ずっと聞けずにいました(しかも再発されたことを筆者が知ったのはもっと後・・・)。
中古盤屋に行っては、いつも「H」の欄でチェックしていたのですが、4年も5年もその状態が続いていました。
ネット上で情報を収集しても、みなが口をそろえて「名盤!」と言うものですから、どうしても手に入れて聴きたい気持ちが募っていきました。
だから他のバンドのアルバムと比べると、手に入れて聴いたときの感動はひとしおでしたよー。
70年代のハードロックが好きなあなたなら、迷わずチェックしてみてください。
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